« ボルタ電池の起電力とその変化(1.1V,0.8V,0.4V) - みんな自信満々、でも... | トップページ | pn接合の飽和電流と理想係数を測定する - ダイオード・1SS355 »

2016年3月11日 (金)

微小電流の測定 - J-FET入力オペアンプのバイアス電流(NJM072D)

やり方はCMOSオペアンプNJU7034Dのバイアス電流を測ってみたに書いた方法と同じです。微小電流は測りにくいので、それでコンデンサーを充電し、コンデンサーの端子電圧の時間変化から電流値を求めるという方法を採ります。

こんな回路でやっています。
Cm_bias
(MCP3551とMCP3553が逆になっていたので図を差し替えました)

じつは次の記事に書く予定のpn接合の順方向電圧測定の回路といっしょに書いてしまったのでややこしくなっていますが(スイッチ=実際はジャンパー=の接続されているところだけご覧いただければわかるように)単にバイアス電流で10nFあるいは100nFのコンデンサーを充電しているだけです。電源は±5Vにしてあります。

バイアス電流の向きによって出力電圧はプラスにもマイナスにもなります。使用しているADコンバータは(基本的には)プラスの電圧は測れないので、プラスだったらMCP3553でマイナスだったらMCP3551で測るようにしています。この記事では電圧はMCP3551で測った方の電圧にしてあります。もしそれがマイナスでMCP3553で測った場合はその測定値の符号を変えMCP3551で測ったとしたときの電圧にしてあります(MCP3553の入力にあるスイッチはMCP3553の入力保護用ダイオードが悪影響を与えそうなときはオープンにするため入れてあります)

--------

補足

ちょっとめんどうですが一つのADコンバーターで正負の電圧を測るのであればこんな方法もあります。
  ADコンバータでマイナスの電圧を測定する方法
    (居酒屋ガレージ店主(JH3DBO)さんのコメントもご覧になった方がいいです)

さらに今回みたいなケースだとそのまま測ってしまう手もあります。

  じつはマイナスの電圧もちょっとは測れる16bitADコンバータMCP3425

MCP3553/MCP3551でもこの手は使えます。でもこういう目的で使うために入力保護用のダイオードを入れないというのはまずいです。

  
=========
  
で、結果です。
Njm072d_bias1

電圧は10nFのとき-5.8mV/s、100nFのとき-0.58mV/s変化しています。

  バイアス電流 = コンデンサーの静電容量 * 電圧の時間変化率

ですのでバイアス電流はこうなります。

キャパシタンス
(pF)
dV/dt
(mV/s)
IB+
(pA)
9990 -5.8 -58
9990 -5.7 -57
100000 -0.58 -58

バイアス電流は60pAということになります。データシートを見ると

  標準 30pA
  最大 200pA

ですから、それなりの値になっています。なおバイアス電流がマイナスになっているのは(私の流儀では)電流が流れ出していることを意味しています。

先日のCMOSオペアンプのバイアス電流と比べるとずいぶん大きいです。2桁違います。でも1MΩの抵抗をつないでも発生する電圧は60μVなわけで、たいていの場合どうでもいいレベルだと思います。

-------

CMOSオペアンプ(NJU7034D)についてはもう一度やってみました。今回はコンデンサーを0.01μFにしてみました。
Nju7034d_bias
グラフにはうっかり0.01μFと書いてしまいましたが、0.001μFが正しいです

キャパシタンス
(pF)
dV/dt
(mV/s)
IB+
(pA)
1000 0.051 0.05

今度は0.05pAととんでもない値になっています。前回より一桁小さくなっていますが、ただ測定条件も違います。前回は単電源での使用ですが、±5Vでの使用です(コンデンサーの使い方は前回と同じです)

CMOSオペアンプのバイアス電流は

  ROHM - オペアンプ・コンパレータの基礎(Tutorial)

によれば

CMOS オペアンプのバイアス電流は端子リーク電流となります、その主な要因は IC 内部に接続された静電破壊保護素子となります。

とあります。とすると使用条件によってかなり変わりそうです。バイアス電流を最小にする使い方(使用条件)というのが個別に違ってきそうです。

ただ回路を作る(使う)場合

  CMOSオペアンプのバイアス電流を気にする前に心配しなければならないことは山ほどある。

というのが実際のところだと思います。

前の記事 CMOSオペアンプNJU7034Dのバイアス電流を測ってみた
次の記事 -------


------

関連


  「オペアンプのバイアス電流の測り方 - バイポーラLM324編
  「
CMOSオペアンプNJU7034Dのバイアス電流を測ってみた
  「
微小電流の測定 - J-FET入力オペアンプのバイアス電流(NJM072D)」 (この記事)
  「オペアンプの特性比較(オフセット電圧、バイアス電流、スルーレート他)
  「
オペアンプのオフセット電圧とバイアス電流の測定 - PIC16F1705
  「
高精度オペアンプOPA277PAのオフセット電圧の温度特性を調べてみた

  「pn接合(VBE)の理想係数と飽和電流の簡単な求め方
  「
pn接合順方向電圧(VBE)の温度係数を測ってみた(高精度版)

  「測定対象別記事一覧(測定、電子工作、天文計算)
    温度、気圧をはじめいろんな物理量の測定方法について

  「過去記事の一覧(測定、電子工作、天文計算)

« ボルタ電池の起電力とその変化(1.1V,0.8V,0.4V) - みんな自信満々、でも... | トップページ | pn接合の飽和電流と理想係数を測定する - ダイオード・1SS355 »

趣味の実験」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 微小電流の測定 - J-FET入力オペアンプのバイアス電流(NJM072D):

« ボルタ電池の起電力とその変化(1.1V,0.8V,0.4V) - みんな自信満々、でも... | トップページ | pn接合の飽和電流と理想係数を測定する - ダイオード・1SS355 »

フォト

サイト内検索

  • 記事を探されるんでしたらこれがいちばん早くて確実です。私も使ってます (^^;; 検索窓が表示されるのにちょっと時間がかかるのはどうにかしてほしいです。

新着記事

リンク元別アクセス数

  • (アクセス元≒リンク元、原則PCのみ・ドメイン別、サイト内等除く)

人気記事ランキング

  • (原則PCのみ、直近2週間)
無料ブログはココログ