« デジカメの分光感度特性と白熱電球のスペクトル | トップページ | メタルハライドランプのスペクトル - DVD簡易分光器 »

2016年5月12日 (木)

デジカメの分光感度特性補正の試み - スペクトル画像のグラフ化

残念ながらこの記事に書いたような単純な方法で感度特性を補正するというのはムリみたいです。

  デジカメ分光感度特性の謎

==> こういう方法がいいようです。


  デジカメの分光感度特性はRAWデータを調べればわかる?

----------------

この補正の話の前にスペクトル画像(分光写真)をどうやってグラフ化(数値化)するかという問題があるのですが、まだ書けていません。
  ===> スペクトル画像(分光写真)を数値化(グラフ化)する方法

いちばんお手軽なのはImageJでしょうか。画像上に適当に線をひいてAnalyze=>Plot Profileでグラフ(+数値)を得ることができます。

IRAFみたいな天体の画像分析アプリでもできると思うのですが今IRAFを動かせる環境を作ってないのでどうだかわかりません。

==> その後調べたら
    「
国立天文台岡山天体物理観測所 - ☆スペクトル物語☆~デジタルアトラス~
   はIRAFを使って画像から分光分布を作っているそうです。


プログラムが書ける方はJPEGなりBMPを読んで必要なデータを取り出せばいいのですが、プログラムを書けなくても方法はあります。私はGIMPで必要な領域を取り出してBMPにし、これをテキストファイルに変換したあと、Excelで読み込めるように秀丸で加工するという方法をとっています。いちいちやるとけっこう手間ですが、バッチやマクロでかなり“合理化”できます。以下ご参考まで。

  「うめっきぃ - Bitmapファイルフォーマト
  「
Eiji James Yoshidaの記録
     - Windowsでファイルを16進数テキストに変換したり、16進数テキストをファイルに変換したりする方法
  「
IT忘備録・メモ書きと日記 - 秀丸 決められた文字数で改行する。

----------

白熱灯のスペクトルを撮った画像を数値化したら次のようなグラフになりました。
_01

これでどういう波長の光が出ているかはわかるのですが、どの波長が強いのかと言ったことはこのままでは正確にはわかりません。カメラの分光感度特性がわからないからです。

白熱灯の場合はある程度波長に対する光の強さがわかるのでそれをもとにデジカメの分光感度特性を調べられ、それから補正ができるのではないかということをデジカメの分光感度特性と白熱電球のスペクトルに書きました。

今回はそれを実際にやってみました。ただ仮定に仮定を重ねた上でのものです。だから”試み”というタイトルになっています。同じことをやっても条件が違えば異なった結果が得られます。そういうのをどうまとめていくかが今後の課題です。

 
======================

次の仮定をします。

 1. 白熱灯のスペクトルは2500Kの黒体輻射に相当する。
 2. デジカメのRGB値は光の強さの対数に比例する。
 3. RGB値はEV値が1上がると36増加する。

1.はだいたいそうなりそうです。あくまで“だいたい”です。
2.と3.は特定の条件でそうなることは確かめています。常にこれが成り立つわけはないのですが、以下そうだとしたらという話です。いろいろ言い出すとそもそも上のグラフからしてちょっと怪しいところ(光源が離れているためのムラ)もあります。

上のグラフに黒体輻射のスペクトルを追加します。
_02

それぞれのセンサーのRGB値と黒体輻射の値の差を求めます。各色(センサー)の値が交差するあたりで分割します。


_03


任意の光源のスペクトル画像からこのグラフにある値を引けばその光源の分光特性がわかるはずです。それにはこえを簡単かつ正確に近似する必要があります。

近似式を作るために試行錯誤中のところ
_04

青、緑は二次関数でもまあまあの近似になるのですが、赤は手強くてけっきょく5分割してしまいました。

近似式の継ぎ目では値はだいたい一致するようにしてあるのですが、微係数までは一致していません。こういうのはスプラインの方がいいかもしれません。

近似式ができたので最初のスペクトルに適用してみました。
_05

575nmあたりが乱れています。この理由は上の“差”のグラフをみればわかります。緑が二次関数では完全に近似できないのです。

さらに領域を分割するのは面倒なのでここだけ特別に手当し、結果はこうなりました。
_06

まあまあの結果です。これが正しい結果というわけではありませんが、デジカメの分光特性をもっと詳しく調べればある程度意味の結果が得られるような気はしています。

ちなみに現状の補正式

=IF(G185>T$3,IF(G185<U$3,(U$4*G185+U$5)*G185+U$6+H185,IF(G185<V$3,(V$4*G185+V$5)*G185+V$6+I185,IF(G185<W$3,(W$4*G185+W$5)*G185+W$6+J185,IF(G185<X$3,(X$4*G185+X$5)*G185+X$6+J185,IF(G185<Y$3,(Y$4*G185+Y$5)*G185+Y$6+J185,IF(G185<Z$3,(Z$4*G185+Z$5)*G185+Z$6+J185,IF(G185<AA$3,(AA$4*G185+AA$5)*G185+AA$6+J185))))))))-IF(AND(G185>W$10,G185<Y$10),IF(G185<X$10,(G185-W$10)/X$11*X$12,(G185-Y$10)/Y$11*Y$12))

G185が波長、H185~J185がRGB値、それ以外はしきい値や二次関数の係数です。

いちばん簡単な補正式のはずなんですが...


前の記事 デジカメの分光感度特性と白熱電球のスペクトル
次の記事 「メタルハライドランプのスペクトル - DVD簡易分光器

まとめ記事 「
光源別スペクトル(分光分布)一覧表 - DVD簡易分光器による

--------

関連


  「簡易分光器の作り方と反省点 - DVD-ROM使用
  「DVD簡易分光器の改良 (1)
  「DVD簡易分光器の改良 (2) - 構造・作り方
  「DVD簡易分光器の改良 (3) - 仮組立
  「
簡易分光器にDVD-ROMを使うとゴーストが出る理由
  「DVD簡易分光器の改良 (4) - 組み立て」


  「デジカメの分光感度特性と白熱電球のスペクトル
  「
デジカメの分光感度特性補正の試み - スペクトル画像のグラフ化
  
スペクトル画像(分光写真)を数値化(グラフ化)する方法
  「DVD簡易分光器の色分解能を岡山天体物理観測所と比較する」

  「
DVDで作る簡易分光計 - 蛍光灯の分光スペクトル」 (三波長型蛍光灯)
  「
蛍光灯でもこれだけ違うスペクトル - 自作DVD分光器

  「
DVDで作る簡易分光器 - 水銀灯の分光スペクトル

  「DVDで作る簡易分光器の校正のために - ネオン管のスペクトル

  「ナトリウムランプのスペクトルの詳細 - 改良版DVD簡易分光器
  「ナトリウム炎色反応のスペクトル(二つのD線)
  「D線が存在しない高圧ナトリウムランプのスペクトル - DVD簡易分光器
  「自作DVD分光器で調べるナトリウムランプのスペクトル

  「メタルハライドランプのスペクトル - DVD簡易分光器

  半導体レーザー(レーザーポインター)のスペクトル

  「フラウンホーファー線の画像が画期的に改善! - 太陽光のスペクトル
  DVD簡易分光器で見るフラウンホーファー線(太陽光のスペクトル)
  「フラウンホーファー線 - DVD簡易分光器による太陽光のスペクトル

  「光害カットフィルターLPS-P2の分光特性(1) - DVD自作分光器

  「色分解能 (3)」 色分解能 (1)」、「色分解能 (2)」、「色分解能 (2)」)
  「色分解能 - 1 - ドップラー効果とかゼーマン効果とか....
  「
色分解能 - 2 - ドップラー効果とかゼーマン効果とか....
  「
ゼーマン効果で太陽の磁場を測る?
  「
ドップラー効果で太陽の自転速度を測る話し
  「
Hαフィルターを使わずにHα写真を撮る方法

  「測定対象別記事一覧(測定、電子工作、天文計算)
  「
過去記事の一覧(測定、電子工作、天文計算)

参考
  「
国立科学博物館 - 理工学研究部 - 若林文高 - DVD分光器の回折条件
  
Welcome to my homepage. - DVD分光器
  「星は空の彼方、月よりも遠く
    - 光害除去フィルター(3)透過特性の観察(2016/03/05)
    - 光害除去フィルター(4)-脱線(簡易分光器の直線性)(2016/03/18)

  「
廊下のむし探検 - 手作り分光器」 (記事一覧)
  「ブログ「廊下のむし探検」付録 - 手作り分光器の作り方

  「Web Page of T.Nomoto - スペクトル色々」 (「ネオンランプと水銀ランプ」)
  「国立天文台岡山天体物理観測所 - ☆スペクトル物語☆~デジタルアトラス~

  「原子スペクトルの観察と波長の測定 - リュードベリ定数の測定及び原子のエネルギー準位
  「資源エネルギー庁 - 太陽エネルギーの基礎知識
  「
岩崎電気 - ランプ光源情報
  「
ライトエッジ - 放電ランプ - メタルハライドランプ

  国立天文台編 「理科年表 第88冊」 丸善出版、2014

« デジカメの分光感度特性と白熱電球のスペクトル | トップページ | メタルハライドランプのスペクトル - DVD簡易分光器 »

趣味の実験」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: デジカメの分光感度特性補正の試み - スペクトル画像のグラフ化:

« デジカメの分光感度特性と白熱電球のスペクトル | トップページ | メタルハライドランプのスペクトル - DVD簡易分光器 »

フォト

サイト内検索

  • 記事を探されるんでしたらこれがいちばん早くて確実です。私も使ってます (^^;; 検索窓が表示されるのにちょっと時間がかかるのはどうにかしてほしいです。

新着記事

リンク元別アクセス数

  • (アクセス元≒リンク元、原則PCのみ・ドメイン別、サイト内等除く)

人気記事ランキング

  • (原則PCのみ、直近2週間)
無料ブログはココログ