光源別スペクトル(分光分布)一覧表 - DVD簡易分光器による
片っ端から照明・光源を見つけたら自作のDVD簡易分光器で写真を撮ってきました。ある程度まとまってきたのでリストを作ってみました。
簡易分光器の作り方・撮影の仕方などについては
「簡易分光器 - 作り方・使い方のまとめとリンク集」
にあり、またなおそれぞれの輝線・吸収線の波長は
「簡易分光器用 - 輝線・吸収線の波長表(フラウンホーファー線を含む)」
にまとめてあります。
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次のように分類してあります。
水銀灯
高圧水銀灯
低圧水銀灯(蛍光灯を含む)
ナトリウムランプ
高圧ナトリウムランプ
低圧ナトリウムランプ
メタルハライドランプ
その他放電管
炎色反応
半導体レーザー
白熱電球
LED
その他人工光
自然光
スペクトル画像はクリックすれば拡大されます。
光源 | スペクトル画像 主にDVD簡易分光器+PENTAX Q + 01 STANDARD PRIMEによる撮影で、430nm以下、660nm以上の感度が著しく悪いです。 |
備考 |
高圧水銀灯 |
「Web Page of T.Nomoto - スペクトル色々 - ネオンランプと水銀ランプ」 |
水銀特有の輝線(435.8nm、546.1nm、577.0nm、579.1nm)が見られます。他に404.7nmがあるはずですが私のカメラじゃよく写りません。 赤色のところは蛍光物質で“色をつけてある”のだと思います。 近くの公園とか駐車場とかあちこちにあります。夜白く輝いているランプはこれかメタルハライドランプのどっちかだと思います。 |
3波長型蛍光管 (低圧水銀灯+蛍光物質) |
400nm~700nm 数値化・一次元化を行ったのち再画像化したもの 「蛍光灯のスペクトルに10本の水銀輝線を見る」より 530nm~640nm 水銀の輝線と蛍光物質のルミネッセンスが混在しています。611nmのところは蛍光物質ルミネッセンスのピークです。 「DVDで作る簡易分光計 - 蛍光灯の分光スペクトル」 参考 「Web Page of T.Nomoto - スペクトル色々 - 照明とディスプレイ」 「パナソニック - 蛍光灯」 |
水銀の輝線と三原色の蛍光物質の発光からなります。 577.0nm、579.1nmの水銀の輝線は見つけづらいです。 一般家庭で使われている(使われていた?)もの。 |
(一般型)蛍光灯(低圧水銀灯+蛍光物質) | 「蛍光灯でもこれだけ違うスペクトル - 自作DVD分光器」 「DVD簡易分光器の改良 (4) - 組み立て」で撮ったもの 参考 「Web Page of T.Nomoto - スペクトル色々 - ブラックライトと殺菌灯」 「パナソニック - 蛍光灯」 |
スペクトルが連続しているところが三波長型と違います。 |
殺菌灯・ブラックライト(低圧水銀灯) | 参考 |
次の三つはいずれも低圧水銀灯ですが作りが異なります。 |
高圧ナトリウムランプ | 「D線が存在しない高圧ナトリウムランプのスペクトル - DVD簡易分光器」 (このスペクトル画像には水銀灯の輝線が含まれています) 「ナトリウムランプのスペクトルの詳細 - 改良版DVD簡易分光器」 参考 「岩崎電気 - ランプ光源情報 - 高圧ナトリウムランプ」/ |
ナトリウムのD線が吸収線(?)になっています。 幹線道路の照明に使われていました。 |
低圧ナトリウムランプ | 後日色解像度の高いスペクトル画像を撮ったところ、D線のところに吸収線がありこの画像は高圧ナトリウムランプのものであることがわかりました。すみません m(._.)m |
D線を初めとするナトリウムの輝線からなります。 |
メタルハライドランプ |
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線スペクトルではないのですが、連続スペクトルと言うのもどうかと思われるような特有のスペクトルです。 |
ネオン管 |
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オレンジ、赤の輝線がほとんどです。 |
プラズマボール | 「プラズマボールのクリプトンとキセノンのスペクトル」 |
右半分(下半分)がネオン、左半分(上半分)がクリプトンとキセノンの輝線です。 |
スペクトルランプ (水素) |
参考 「田森 緑 - 原子の量子状態の研究」 簡易分光器で撮影したものがあります(バルマー系列の輝線) 「13 原子スペクトルの観察と波長の測定 - リュードベリ定数の測定及び原子のエネルギー準位」 |
バルマー系列の輝線を見る(測定する?)のであればバルマー管と言われるものもあるみたいです。中に入っているのは水素ガスじゃなくて水蒸気らしいです。 |
スペクトルランプ |
参考 「田森 緑 - 原子の量子状態の研究」 簡易分光器で撮影したものがあります。 |
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炎色反応 (ナトリウム) |
「ナトリウム炎色反応のスペクトル(二つのD線)」 |
画像の上半分にあるオレンジ色の二つの輝線がナトリウムのD線(左からD2、D1)です。 |
炎色反応 (カルシウム) |
「カルシウム炎色反応のスペクトル画像とその波長」 |
カルシウムのバンドスペクトルはかろうじて写っているのにナトリウムの輝線は飽和しているという... |
半導体レーザー (レーザーポインター) |
「半導体レーザー(レーザーポインター)のスペクトル」 ネオンの輝線と比べると半導体レーザー出力光の波長の変動を比較的簡単に知ることができます。 「半導体レーザー出力光の波長の長期的・短期的変動」 半導体レーザーの出力はエレクトロルミネッセンスの共鳴増幅であるためはネオンの輝線とは違って幅があります。 (「吾唯知足 〜 吾が身の丈 身の程 身のこなし〜 - 理科教科書における光スペクトル再定義の必要性(白熱灯・蛍光灯・LEDを理解する)」) |
半値幅も小さく、ピント合わせには好都合ですが、出力光の波長は変化するので残念ながら校正には使えません。 |
白熱電球 |
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青色の感度を高めるためホワイトバランスを白熱灯にしてあるのですが、それでも赤みが強いです。 |
LED (白色) |
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画像ではわかりにくいですが、緑と青の間に落ち込みがあります。 |
夜空 (その他人工光) |
546nmあたりの輝線が目立ちます。水銀灯か蛍光灯が原因でしょう。 | |
太陽光 |
「フラウンホーファー線(475nm~495nm)」 (F線とその周辺) |
フラウンホーファー線がなかなか難物です。 |
恒星・星雲 | 「ALBEDO 0.39 - スペクトルの部屋」 |
プリズムによるものだそうです。 |
恒星 | 「国立天文台岡山天体物理観測所 - ☆スペクトル物語☆~デジタルアトラス~」 | 約600個の恒星の分光写真とスペクトルの数値データがあります。 |
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まとめ記事
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簡易分光器とは?
簡易分光器の実力
太陽光(フラウンホーファー線)
蛍光灯
原理・設計
製作・材料
スリット
回折格子
構成/構造
フラウンホーファー線の撮影法
簡易分光器の性能評価
トラブルが起きたときの対処法
画像の数値化・グラフ化
デジカメの分光感度特性
スペクトルデータの再画像化
分光器の応用
光害カットフィルターの特性を調べる
半導体レーザー出力光の波長の変化
簡易分光器では手が出せないもの
スペクトルに関する資料集
スペクトル(画像)の実例
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「測定対象別記事一覧(測定、電子工作、天文計算)」
「過去記事の一覧(測定、電子工作、天文計算)」
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