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2016年5月30日 (月)

スペクトル画像(分光写真)を数値化(グラフ化)する方法

スペクトル画像は眺めているだけでもきれいですが、そこから何らかの情報・知見を得ようとすると数値化した方が便利です。これまでのスペクトル関連の記事でも原則そうしていますがその方法を書いていませんでした。そこで簡単にまとめておきます。

なお今回からしばらくは事情あってリンク、画像をかなり省略してあります。再来週あたりに追記・補足する予定です。

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分光写真は画像ですから二次元です。でも数値化されたスペクトルは一次元のデータです。この二次元の画像をどうやって一次元するかというのがポイントになると思います。
またここに紹介するソフトは入力は天文写真・データ保存の常道であるFITSであることを前提にしているものが多いようです(マカリィJPEGにも対応していました。それから下記以外にImageJ があります。スペクトル画像の数値化に使った例も見かけるのですが、使った感じとしてはさほどメリットを感じませんでした)

FITSについてもちゃんと記事にしなければいけないのですが、

  Astrometry.netの数値データを取得する方法 - 検出された星像の位置について

でちょっと触れています。

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まずIRAFを使うというのがプロっぽい気がします。例えば

  国立天文台岡山天体物理観測所 - ☆スペクトル物語☆~デジタルアトラス~

でもそういう方法を採っているようです。このサイトにある画像も撮影した画像そのものではなく解析した結果を再画像化したものみたいです。

ただIRAFはちょっと敷居が高いです。私もやろうと思って準備を始めたのですが、まだubuntuのVMを作ったところで終わっています。

資料・情報はググればいろいろ見つかりますが必然的に専門家が書いたものが多いです。

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まだ消化不良ですがこんなもの(の紹介記事)も見つけました。数値化・グラフ化以上のことができそうです。

  dustycometのスペース - BASSによる彗星分光データ整約の手引き

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調べた範囲でスペクトルを数値化するもっとも簡単な方法は

  美星天文台にようこそ - BeSpec 分光観測データ解析ソフト

のようです。

  BeSpecは、CCD分光画像データ(FITS形式)を一次元化しグラフにするソフトです。
  CCD分光データ解析の入門や観測中のクイックルックに使用できます。


とあります。ただこれも私はまだ使っていません。なぜかというと8bitデータのFITSを扱えないからです。私がFITSを出力するもっとも簡単な方法であるGIMPは8bitデータしか出力できないのです。

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ということで今一番現実的な方法は

  国立天文台 - すばる画像解析ソフト -Makali`i-   配布サイト

ではないでしょうか。これは8bitのFITSに対応しており、GIMPの出力したFITSも問題なく読み込めますし、操作も直感的でわかりやすいです。次の画像のようにスペクトル画像の任意の領域からグラフを作り数値データをCSVとして出力できます。

  <==== と書いてしまったのですが実際にはJPEGも問題なく読み込めます。
      ふだん使うような画像だったらたいてい行けるような...


Photo

上は太陽光(雲)のスペクトル画像を処理しているところです。左側にF線、右側にD線があります。

ところで上の図を見ると主要なフラウンホーファー線の他に細かい輝度の変動が見られます。一見ノイズがのっているように見えますが、じつはそうでもないです。

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スペクトル画像を数値化するとき一次元化されますのでノイズも小さくなります。となると数値化されたデータを再画像化したくなります。

フラウンホーファー線、上半分がオリジナル画像で、下半分が再画像化したスペクトル画像です。これは波長の変化はオリジナル画像と同じです。

Imgp8975m44d01430100020001tc
(「スペクトル画像の一次元化と再画像化の自動処理」より)

さらに再画像化のときスペクトル画像の波長が直線的に変化するようにすることもできます。

  「スペクトルデータをExcelでSVG画像にしてみた

数値化・一次元化をしたのち再画像化しそのとき波長目盛り、輝線位置を追加したもの。
三波長型蛍光灯のスペクトル画像です。

Imgp8997m45d41400400700svg



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コメント

GIMPでFITS(8Bit)を出力して、そのFITSをマカリに入力してCSVを出力、さらにそのCSVをエクセルで処理していたわけですか。
ずっとどうやってるのかと思っていました^^;

じつはこのスペクトルの数値化は画像をbmpにしてテキスト化するとかいろいろ試行錯誤を繰り返しています。やっと決定版的方法が見つかったので記事にした次第です。
もうIRAFはとうぶん放置かも。

JPEGの矩形領域を示す2点(左上座標、右下座標)を初期ファイルに設定、もしくはパラメータに指定で、RGBそれぞれの値をCSVで出力するようなプログラムならすぐにでもお作りできますけど・・・って気が付くのが遅かったです(自分の案件に忙しくて^^;;)。
それにここまでしっかり方法が固定してるのにおせっかいですよね^^;

ほよほよさんにお願いするという手(?)も考えたんですが、さすがに遠慮があって (^^;;
それに新たな試みの方が興味ありますから。
数値化する場合いちばん問題になるのはRGBから輝度を求めるところでどのアプリもあんまりうまくいっていないようにお思えます。マカリはうまくいっている方かも。
CCD前提でデジカメの画像というのがそもそも間違っているわけですが。

最初の頃どうやっているのか興味があったのですけど、もっと簡単にRGBを取り出していて、私が出る幕はないんじゃないかと思い込んでいました。そのうちに新たな試みが忙しくなってしまったのですけど^^;

keypoint から中身を抜いて、入出力部分を残すだけなので簡単です。たぶん1時間くらいで出来ますのでUPしておきますので気が向いたら使ってみてください。

ネオンや水銀の輝線みたいなのはどういう方法でもうまくいくと思いますが、フラウンホーファー線はノイズ(ムラ?)の影響が大きいのでやっぱりそれなりの方法が必要ですね。次の記事でまたフラウンホーファー線のことを書くのですが思いのほかいい結果が得られています。
じつは今旅行中で昨日から記事は先週書いておいたものを日時指定でアップしています (^^;;
いろいろ試せるようになるのは来週になってからなので悪しからず m(._.)m

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