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2016年6月27日 (月)

簡易分光器の限界に挑む - フラウンホーファー線(b)

フラウンホーファー線の撮影方針を変更しました。

  太陽光は直接光で撮る
  撮影した画像はRAWデータ(DNG形式)で保存する


直接光で撮るのは「簡易分光器の撮影方法 - フラウンホーファー線を例に」 にも書いたようにいろいろと解決すべき問題があります。黒点の撮影と同じで難しいです。

問題はありますがメリットもあります。太陽は強烈に明るいですからスリット・回折格子間距離Lとスリットの間隔sの比 N = L/s をふつうでは考えられないくらい大きくできます。

また連続光の中に暗線があるケースではRAWデータで保存することはJPEGで保存するより有利なようです(理由はそのうち記事にします)

この結果これまでぜったい撮れなかったような画像が撮れました。

使用した簡易分光器はDVD簡易分光器の改良 (4) - 組み立てに書いたものです。
L=350mm s=0.05mm以下(まだちゃんと測っていません)
RAWデータは直線性を保ったままRGBのセンサーの値それぞれ2、1、3の係数を掛けてJPEGにしたものです(そのため色味がだいぶ変わっています)
Imgp3680org


画像を見ただけでも、0.54nmしか離れていないb2とb4の間に暗線が二つある(赤い線)のがわかります。こうなると10,000前後の色分解能(ここでは0.05nmの半値幅)が達成できているようです。

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さっそく国立天文台岡山天体物理観測所の画像と比較してみます。方法は簡易分光器のフラウンホーファー線を岡山天体物理観測所と比較してみた(b線) に書いたのと同じです。

こちらの簡易分光器の画像は数値化+一次元化(スペクトル画像(分光写真)を数値化(グラフ化)する方法)を行い、それを再画像化(スペクトルデータをExcelでSVG画像にしてみた)したものです。

Imgp3680m44d63514d97520d362_2

Sun5167_2

国立天文台岡山天体物理観測所 - 主なフラウンホーファー線 - マグネシウム b線
(提供国立天文台「
自然科学研究機構 国立天文台 ウェブサイト 利用規程」による)


もちろん色分解能はぜんぜん違いますが国立天文台岡山天体物理観測所の画像をぼかしたらこうなるだろうなというような感じで写っています。つまり暗線の対応がなんとなくつきます。

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数値化したものを比較してみました。
Imgp3680

赤い点線は簡易分光器との間で対応がとれていると思われるもの、青い点線は対応がとれていないか、とれていても偶然だろうと思われるものです。赤い点線を見るとかなり細かいところまで把握できているのがわかります。

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DVDを回折格子に使った分光器の色分解能の理論的な上限は54,000程度と思われます。直接光での撮影であれば現在の簡易分光器はまだ余力がありますのでどのくらいまでこの数値に近づけるかに興味があります(簡易分光器は回折格子の入射光が平行ではないので理論的な上限のかなり前に頭打ちになると思っていたのですが、まだ色分解能は伸びています。一度理屈でどうなるかちゃんと考えた方がいいかも)


今後改良すべき点

  迷光対策をさらに徹底する
  スリット・回折格子間距離をさらに大きくし、スリット間隔をさらに狭くする

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b線ってどこにあるんだ?、という方のための説明図
(これは間接光(雲)による撮影です)

Imgp927192582


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コメント

こんにちは。国立天文台の背中が見えてきましたね。

実は私も少し改善をやってまして、b2, b4の分離まで出来たところです。これでセッピーナさんに近づいたかな、と思っていたら大きく引き離されていました。

機材が違う場合の事例として見ていただければ幸いです。
http://radiopench.blog96.fc2.com/blog-entry-677.html

記事を拝見しました。b2/b4が分離しているだけでなくE線の方もかなり明確にとらえられているのではないでしょうか。
ちょっと悔しいのは私のカメラ(レンズ)の性能が完全に負けていることです (^^;;
どうも色分解能に見合うだけの空間分解能が得らない領域に入ってきたようでこれからどう進めるか悩んでいます。すぐに思いつくのはアクリル板に開けた40.5mmフィルタ用の穴を52mm(かそれ以上)のフィルタ用にすることですが、これがけっこう重労働でして。

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