DVD簡易分光器の波長と画像位置の関係
スペクトル画像を撮っていると波長と画像位置の関係(どの波長の光がカメラの画像のどこに写るか)がわかっていないと画像の分析がうまくいきません。
最初の頃は色解像度も悪くて
波長と画像位置は直線関係(線形)
と考えておけば大きな問題はありませんでした。最近は色解像度が格段に上がってきたのでそろそろまじめに考えておこうと思います。
題材としては前回スリット幅と色解像度の関係を調べたときのものを使います。
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計算のやり方は「DVD簡易分光器のスリット幅と色分解能の関係」に書いたので今回は結果だけです。
まずカメラに写る400nm強から650nmあたりまでの波長と画像位置の関係をグラフにしてみました。

これだと確かに直線と考えても大きな間違いがないことはわかります。
これを実際に直線(一次関数)で近似してみたものです。

計算のやり方は「DVD簡易分光器のスリット幅と色分解能の関係」に書いたので今回は結果だけです。
まずカメラに写る400nm強から650nmあたりまでの波長と画像位置の関係をグラフにしてみました。

これだと確かに直線と考えても大きな間違いがないことはわかります。
これを実際に直線(一次関数)で近似してみたものです。

確かにわずかな差しかないように見えますが、これはスケールが大きいのでそう見えるだけで実際にはけっこう違いがあります。上のグラフに実際の値と近似値の差(残差)を追加してみます。

残差は大きなところでは10ピクセルを超えています。ナトリウムのD2、D1の間隔が0.6nm、4~5ピクセルであることを考慮するとかなり大きいです。
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じゃあ二次関数で近似したらどうか調べてみました。

残差は感覚的には1/3くらいになっているようです。輝線の特定には使えないことはないと思います。
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さらに残差を小さくするにはどうしたらいいか?グラフの形を見ると三次関数にすればいいようにも見えますが、それだとあんまりうまくいかないようです。(この範囲しか使わないという前提であれば)三角関数を使った方がよさそうです。
いろいろ試行錯誤しているのですが、その一つです。

これだともう不満はないのですが、近似関数の係数が多くなります。いつも波長のわかっている輝線がたくさんあるということはないわけで実用的にはどうだろうという印象です。
波長範囲を分析を必要とする領域だけに絞って一次関数あるいは二次関数で近似するというのが現実的かもしれません。
前の記事 「DVD簡易分光器の改良 (4) - 組み立て」
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まとめ記事
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簡易分光器とは?
簡易分光器の実力
太陽光(フラウンホーファー線)
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原理・設計
製作・材料
スリット
回折格子
構成/構造
フラウンホーファー線の撮影法
簡易分光器の性能評価
トラブルが起きたときの対処法
画像の数値化・グラフ化
デジカメの分光感度特性
スペクトルデータの再画像化
分光器の応用
光害カットフィルターの特性を調べる
半導体レーザー出力光の波長の変化
簡易分光器では手が出ないようなもの
スペクトルに関する資料集
スペクトル(画像)の実例
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「測定対象別記事一覧(測定、電子工作、天文計算)」
「過去記事の一覧(測定、電子工作、天文計算)」

残差は大きなところでは10ピクセルを超えています。ナトリウムのD2、D1の間隔が0.6nm、4~5ピクセルであることを考慮するとかなり大きいです。
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じゃあ二次関数で近似したらどうか調べてみました。

残差は感覚的には1/3くらいになっているようです。輝線の特定には使えないことはないと思います。
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さらに残差を小さくするにはどうしたらいいか?グラフの形を見ると三次関数にすればいいようにも見えますが、それだとあんまりうまくいかないようです。(この範囲しか使わないという前提であれば)三角関数を使った方がよさそうです。
いろいろ試行錯誤しているのですが、その一つです。

これだともう不満はないのですが、近似関数の係数が多くなります。いつも波長のわかっている輝線がたくさんあるということはないわけで実用的にはどうだろうという印象です。
波長範囲を分析を必要とする領域だけに絞って一次関数あるいは二次関数で近似するというのが現実的かもしれません。
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