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2016年7月21日 (木)

簡易分光器用 - 輝線・吸収線の波長表(フラウンホーファー線を含む)

分光器を作ってフラウンホーファー線とか蛍光灯の吸収線・輝線、また炎色反応を見ているとその波長が知りたくなります。これがけっこう手間です。

波長は理科年表その他で知ることができますが、こういうリストは網羅的で簡易分光器ではぜったい見えないような輝線の波長も含まれています。

例えば理科年表の「紫外部、可視部、近赤外部の主なスペクトル線の波長」にはネオンについて400nm~700nmの範囲で32の波長があります。化学便覧では「振動スペクトル」のところにはネオン線の波長(と真空中の波数)があるのですが488nm~700nmの範囲で112の波長が記されています。ただ実際に簡易分光器で観察できるのは20本もないと思います。

そこで簡易分光器で見えると思われる範囲の実戦的なリストを作っています。まだこれから内容を充実させていきたいと思っていますが、今作っている範囲でもそれなりに役にたちそうなので記事にすることにしました。

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2016年7月14日 補足

フラウンホーファー線に関してはフラウンホーファー線の詳細リストとD3線が存在しないことに書きましたが下記に詳細なリスト(全リスト?)があります。現在強い吸収線を少しずつ下の一覧表に追加しているところです。

  The Interactive Database of Spectral Standard Star Atlases
      - SpectroWeb frontpages - Interactive Spectral Atlases
  
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2016年7月11日 補足、7月14、15、21日 改訂

測定条件が異なるため波長は資料によって違いがあります。


次のExcelファイルをダウンロードしていただければ“波長表”のシートに以下と同じものがあります。

  IMGP8762-三波長・SVG2.8-JPG-M4d14-1541~1560.xlsx

  IMGP8762-三波長・SVG2.9-JPG-M4d14-1541~1560.xlsx

  IMGP8762-三波長・SVG3.0-JPG-M4d14-1541~1560.xlsx


  「IMGP8795-Ne+三波長・SVG3.1-JPG-M4d66-1421~1460.xlsx 」 



輝線・吸収線の詳細については

  簡易分光器 - 作り方・使い方のまとめとリンク集

から必要な記事を探して読んでいただければと思います。

この記事のデータを利用して作ったスペクトル画像の例
Imgp4086dsvg27dngm4d65650750585590g
簡易分光器で撮影した画像をいったん数値化(+一次元化)し、再度画像にしたものです。
585nm~590nmの範囲で右側の濃い二つの吸収線がD線です。

--------

元素欄の記号の意味

H(Hd/h) フラウンホーファー線: Hの吸収線、理科年表(おもな太陽吸収線)ではHδ、Wikipediaではhの記号がついています。
Ca(g/-) フラウンホーファー線: Caの吸収線、理科年表(おもな太陽吸収線)ではgの記号がついていますが、Wikipediaにはありません。
Fe(-/d) フラウンホーファー線: Feの吸収線 理科年表(おもな太陽吸収線)にはありませんが、Wikipediaではdの記号がついています。
Fe フラウンホーファー線: Feの吸収線 理科年表(おもな太陽吸収線)にだけありますが、記号はありません。
Cr I/OAO フラウンホーファー線: にあったものです。
Fe 1/SW フラウンホーファー線: The Interactive Database of Spectral Standard Star Atlases - SpectroWeb frontpages - Interactive Spectral Atlasesにあったものです。
Fe/CST 理科年表の紫外部、可視部、近赤外部の主なスペクトル線の波長の表にあったものです。鉄の場合はフラウンホーファー線として見えるものも多いです。
Ca/katakago 炎色反応の輝線: かたかご- 身の回りの化学 - 炎色反応の実験結果によります
Ca Band/katakago 炎色反応のバンドスペクトル(分子バンド):かたかご- 身の回りの化学 - 炎色反応の実験結果によります。
CH Band バンドスペクトル(分子バンド): Wikipedia - 化学発光によります。
Lumin. 蛍光物質のルミネッセンスのピーク。実測に基づく参考値。



備考欄の“強い”、“とても強い”は私の観察した印象であってなんらかの物理的指標に基づくものではありません。

F:フラウンホーファー線 元素 波長(nm) 備考
  K/katakago 404.4  
F Fe 404.583  
  Hg/CST 404.656
F Fe 406.361  
F Fe 407.175  
F Sr 407.772  
  Hg/CST 407.781  
F H(Hd/h) 410.175  
F Co I/OAO 411.878  
F Fe 413.207  
F Fe 414.388  
F Mg 416.728  
F Fe 420.204  
F Sr II/OAO 421.554  
F Ca(g/-) 422.674  
  Ca/katakago 422.7  
F Fe 423.595  
F Fe 425.013  
F Fe 425.08  
F Cr 425.435  
F Fe 426.049  
F Fe 427.177  
  Kr/CST 427.397  
  CH Band 430  
F Ca(-/G) 430.774  
F Fe(-/G) 430.79  
F Fe 432.578  
  Hg/CST 433.924  
F H(Hg/G') 434.048  
  Hg/CST 434.75  
F Mg I/OAO 435.192  
  Hg/CST 435.835 とても強い
F Fe(d/e) 438.356  
F Fe 440.476  
F Fe 441.514  
  Xe/CST 450.098  
  Kr/CST 450.235  
  Xe/CST 452.468  
F Fe 452.863  
  Ba/katakago 455.1  
F Ba+ 455.404  
  Xe/CST 458.275  
  Sr/katakago 460.7  
  Kr/CST 462.428  
  Xe/CST 462.428  
  Na/CST 466.489  
F Fe(-/d) 466.814  
  Kr/CST 467.161  
  Xe/CST 469.702  
F Mg 470.3  
  Ne/CST 470.885  
  Xe/CST 473.415  
  C2 Band 473.7  
  Na/CST 474.802  
  Na/CST 475.189  
  Xe/CST 480.702  
  Xe/CST 482.971  
  Xe/CST 484.329  
F H(Hb/F) 486.134  
F Fe I/OAO 487.214  
F Fe 489.15  
  Hg/CST 491.604  
  Xe/CST 491.651  
F Fe/CST 491.9  
F Fe 492.051  
  Xe/CST 492.315  
  Ba/katakago 493.4  
F Fe I/OAO 493.403  
F Fe I/OAO 493.41  
F Fe(-/c) 495.761  
  Na/CST 497.851  
  Na/CST 498.285  
  Xe/CST 502.828  
  Na/CST 514.909  
  Na/CST 515.365  
  C2 Band 516.5  
F Mg(b4/b4) 516.733  
F Fe(-/b4) 516.751  
F Mg(-/b3) 516.891  
F Mg(b2/b2) 517.27  
F Mg(b1/b1) 518.362  
F Fe/CST 521.6277  
F Fe/CST 522.7191  
F Fe/CST 523.2947  
F Cr I/OAO 524.757  
F Fe 525.022  
F Fe(E/-) 526.955  
F Fe(-/E2) 527.039  
F Fe II/OAO 531.662  
F Fe 532.805  
  Ne/CST 534.109  
  Hg/CST 535.405  
  Cu Band/katakago 537  
  Ne/CST 540.056
  Hg/CST 546.074 とても強い
F Mg 552.842  
  Ba/katakago 553.5  
F Mn I/OAO 553.781  
  Ca Band/katakago 554  
F Fe 1/SW 564.1436  
  Hg/CST 567.586  
  Na/CST 568.266  
  Na/CST 568.822  
F Ni 1/SW 570.9539  
F Fe 1/SW 576.299  
  Hg/CST 576.959
  Hg/CST 578.966  
  Hg/CST 579.065
  Hg/CST 580.365  
  Ne/CST 585.249 とても強い
F Ca 1/SW 585.7451  
F Ca 1/SW 586.7562  
F Fe 1/SW 585.9586  
F He(-/D3) 587.565 フラウンホーファー線としては見えない?
フラウンホーファー線の詳細リストとD3線が存在しないこと
  Ne/CST 588.19
F Fe 1/SW 588.3813  
  Hg/CST 588.894  
  Hg/CST 589.016  
F Na(D2) 588.997  
  Na/CST 588.997 とても強い
F Na(D1) 589.594  
  Na/CST 589.594 とても強い
F Fe 1/SW 591.4112  
F Fe 1/SW 591.4201  
  Lumin. 593  
F Fe 1/SW 593.4653  
  Ne/CST 594.483
  Ne/CST 597.533
  Lumin. 599.44  
  Ne/CST 603
  Sr Band/katakago 605  
  Ne/CST 607.434
  Ne/CST 609.616
F Ca 610.273  
  Li/katakago 610.4  
  Lumin. 611.3 とても強い
F Ca 612.223  
  Ne/CST 614.306
  Na/CST 615.423  
  Na/CST 616.076  
F Ca 616.218  
  Ne/CST 616.359  
  Lumin. 620.2  
  Ne/CST 621.728
  Ca Band/katakago 622  
  Hg/CST 623.437  
  Ne/CST 626.65
F O2(-/a) 627.661  
F Fe 630.25  
  Ne/CST 630.479
  Ne/CST 633.443
  Ne/CST 638.299
  Ne/CST 640.225
  Ne/CST 650.653
  Ne/CST 653.288
F H(Ha/C) 656.281  
F Fe I/OAO 657.504  
  Ne/CST 659.895
  Lumin. 662.4  
  Ne/CST 667.828
  Li/katakago 670.8  
  Hg/CST 671.643  
  Ne/CST 671.704  
  Hg/CST 690.716 弱?
  Ne/CST 692.947  
  Ne/CST 703.241  


--------------------------

以下は改定前の記事の内容です。

まずマシンリーダブルじゃない(?)方から
Photo

波長は基本的には理科年表(国立天文台編 「理科年表 第88冊」 丸善出版、2014)から抽出したものです。

このうちフラウンホーファー線はオレンジ(茶?)でマークしてあります。理科年表にはなくてWikipediaにはあるというものもあるのでこれは薄いオレンジでマークして追加してあります。フラウンホーファー線の記号も理科年表にあるものを採用しましたが、Wikipediaで違う表現がしてあるものは“()”内に追記してあります。

強めの輝線は太字、弱めの輝線は細字にしてありますが、これは感覚的なものです。
でも水銀の輝線が435nm近辺に見えたとき、それが434.750nmではなくて435.835nmであることがわかる程度には役にたつと思います。

なお、この中には私はまだ見たことのない輝線(吸収線)の波長(例えば水銀690.716nm)も含まれていますし、また数値自体転記ミスがある可能性がありますのでそこはご留意願います。

おかしそうなのがあったらご指摘いただければ調べてお知らせします。

-------

次にマシンリーダブルな方ですが、せっかくですので今スペクトル画像の分析に使っているExcelをダウンロードできるようにしました。

スペクトル画像を国立天文台のマカリで一次元化/数値化してできたCSVファイルのデータを貼り付けて使うように作ってあります。

ニーズがあればそのうち使い方を書きます。現在次のような改良を計画しています。

  

数値化されたデータの再画像化によって画像位置と波長の関係が線形になるようにする。

  

グラフをSVG化して波長の元素・波長も自動的にに書き入れるようにする。

いつになるかわかりませんが (^^;;

  

IMGP8439-プラズマボール-M52d20-1400-2DGraph.xlsx

プラズマボールのスペクトルの分析に使ったものそのままです。

Imgp8439excel

前の記事 「プラズマボールのクリプトンとキセノンのスペクトル
次の記事 半導体レーザー出力光の波長の長期的・短期的変動

まとめ記事
  「
簡易分光器 - 作り方・使い方のまとめとリンク集
    簡易分光器とは?
    簡易分光器の実力
      太陽光(フラウンホーファー線)
      蛍光灯
    原理・設計
    製作・材料
      スリット

      回折格子
      構成/構造
    フラウンホーファー線の撮影法
    簡易分光器の性能評価
    トラブルが起きたときの対処法
    画像の数値化・グラフ化
    デジカメの分光感度特性
    スペクトルデータの再画像化

    分光器の応用
      光害カットフィルターの特性を調べる
      半導体レーザー出力光の波長の変化
      簡易分光器では手が出ないようなもの
    スペクトル(画像)の実例
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      分光観測の歴史
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測定対象別記事一覧(測定、電子工作、天文計算)
  「
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