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2016年7月11日 (月)

簡易分光器・半値幅0.04nmの撮影条件

今回テーマにする画像はb線からE線にかけてのフラウンホーファー線です。
Imgp4089e1000

これまでで最高のできというくらいの画像ですが、特に矢印で示したあたりはとても色分解能が高くなっています。

この部分のE線の方を拡大してみます。
Imgp4089t1000

E線から右の方向(この画像は右側が波長が短くなっています)にペアになった吸収線が3組あります。マークしてあるいちばん右側のペアはこれまでどうしても分離できなかったもので二つの吸収線の波長の差はわずか0.06nmです。

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この波長差0.06nmのペアのところをスペクトル画像(分光写真)を数値化(グラフ化)する方法で数値化(+一次元化)した結果のグラフで見てみます。
このグラフはRAWデータから作っており輝度の値は概ね光の強さに比例しています。
Imgp4089svg23dngm4d69241260524528


このグラフを見るといったんディップした輝度が完全に落ち込む前に次のディップに移っています。

こういう結果がどういう状況で発生するかを正規分布を仮定して調べてみます。
Photo

ピークの波長差が半値幅の1.5倍のときの形に似ています。

結論として波長差0.06nmのところのペアからこの画像の半値幅は0.04nm程度であることが予想されます(色分解能 13,000程度)

スペクトルデータをExcelでSVG画像にしてみたにある方法で波長の変化が直線的になるように500nm~530nmの範囲を再画像化したものです。
Imgp4089svg23dngm4d69241260500530g

-------

最後に今回の画像の撮影データの詳細を示します。

それぞれの項目については
  CD/DVD簡易分光器設計のポイント
  (詳細撮影条件付き)三波長型蛍光灯の分光スペクトル
を参考にしてください。

対物レンズ 使用せず
スリット タバコ内包紙
間隔 0.03mm
長さ 2mm
遮光板 タバコ内包紙
厚紙
スリットとの位置関係

Photo

間隔 6mm
長さ 4mm
コリメーター 使用せず
回折格子 DVD-R
一次回折光
保護層を取り除き
エチルアルコールで洗浄
格子定数 740nm 格子密度
1350本/mm
分散軸の方向の長さ
≒40mm
切り出したままを使うとこの長さになります。
クロスディスパーザー
BPF
使用せず 不要
光源 太陽(直接光) 霞んでおり日差しは少し弱いが影ははっきりとわかるくらい
光源スリット間距離 -------
スリット・回折格子間距離(Ls) 480mm
スリット・遮光板間距離 200mm
回折格子レンズ間距離(Lc) 可能な限り近づけて設置
画像中心波長 517.6nm
半値幅 0.04nm 撮影結果に基づく推定値(λ=527nm)
色分解能 ≒13,000
入射光と回折格子のなす角(θ1) 約15.4度 撮影結果に基づく推定値
λ= 517.6nm
回折格子とカメラ光軸のなす角(θ2) 約74.6度  〃
入射用パイプの中心軸とカメラ光軸のなす角(θa) 約90度 設定値
レンズ TAMRON A06
AF28-300mm Ultra Zoom XR
F/3.5-6.3
LD Aspherical [IF] MACRO
カメラ PENTAX Q7
絞り値 f/8.0
露出時間 2.5秒
ISO速度 ISO-100
焦点距離 ≒135mm 35mm焦点距離 ≒620mm
フォーカシング b線でピント合わせ b線の周辺にある弱い吸収線が見えるようにピントをあわせました。
記録形式 JPG及びDNG
特記事項 WB: CTE
カスタムイメージ: ナチュラル
高感度NR: 弱
ハイライト補正: OFF
シャドー補正: OFF



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    簡易分光器の実力
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    原理・設計
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    画像の数値化・グラフ化
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    スペクトルデータの再画像化

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