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2016年7月 3日 (日)

(Wikipediaの)E線はど~れ? - 簡易分光器によるフラウンホーファー線

簡易分光器の再度の改良を加えたのですが、すでに反省モードに入っています。

まずDVD簡易分光器のさらなる改良 - あるいはアクリル板の穴あけの写真にあるように今回はスペクトルの分散軸が画像の長辺と(だいたい)平行になるようにセットしたのですが、これがまずかったです。三脚への取り付けけると光軸の方向がヘンな方向を向きます。天頂近いところにある太陽を追尾するとき雲台の(三軸の)三つのノブをどう動かしたらいいかわからなくなりました。

レンズフィルターを埋め込んだアクリル板を90度回転させれば対応できるのですが、アクリル板の固定用のネジ穴が縦方向と横方向で間隔が違うのでそれもできません。

次に画像の中心波長を変えられるように回折格子(DVD)入射光となす角を変化させられるようにしたのですが、あんまり有効に機能していません「DVD簡易分光器設計支援用Excelシート」(予定記事)を先に作って確かめるべきでした。

  <=== これは勘違いでした。設計が悪いのではなくて工作が悪かっただけでした。

さらにピント合わせがシビア過ぎてたいへんです。何枚かに1枚やった思い通りのものが撮れるという状況です。これはおそらくスリット・回折格子間距離を大きくすればクリアできると思いますが、次回の改良は「DVD簡易分光器設計支援用Excelシート」を作ってからにしたいと思います。

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とは言え思い通りに撮れた写真はこれまでより確実によくなっています。


Fraunhoferimgp7368begimp

b線とE線の間にこんなにたくさんの吸収線があるのを見て、E線もはっきりと写っていなかったDVD簡易分光器で見るフラウンホーファー線(太陽光のスペクトル)の頃を思い出すと感慨深いものがあります。つい2ヶ月前の話ですが....

上を200%で表示したもの
Fraunhoferimgp7368egimp

これでもE線はど~れ? - 簡易分光器によるフラウンホーファー線の400%の画像と同じくらいのサイズになります。要するに焦点距離を大きくできた分細部がよく写っています。

前回、E線のところは二本の暗線からできている、と書いたのですが正確に言えば、E線のところは複数の暗線からできているようだ、レベルでした。今回はE線のところが(少なくとも)二本の暗線からできていることがはっきりとわかるようになりました。

この二つの暗線の波長の差は0.08nm弱と思われます。あと0.01nmや0.02nm近づいても二つの暗線と認識できそうですから色分解能は10,000(この波長で半値幅0.052nm)あるいはそれに近いところまで実現できているのは間違いなさそうです。

  
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さてたいして強度もかわらず波長が0.1nmも違わないのになぜ上の方(波長が短い方)がE線とわかるかというと

  「岡山天体物理観測所
     - 太陽のスペクトル - The Solar Spectrum - - 鉄 527nm付近

を見たら、波長の短い方をE線としてあったからです(いつも画像があるとは限らないので、そういうときは画像位置と波長の近似式を作って同定したい吸収線の残差が突出して大きくないか確かめるというようなことをします)

岡山天体物理観測所の画像ではE線の波長は526.955nm となっています。これは理科年表も同じです。国立天文台系はこの波長で統一されているようです。

一方Wikipediaを見るとE線の波長がこれと異なっており527.039nmです。わずか0.084nmの違いですから以前はこの差は気にもとめなかったのですが、今は事情が違います。0.084nmの差は十分に検出可能です。

上に書いたように(国立天文台の)E線より波長が0.08nmほど大きいところに吸収線があります。となるとこれはWikipediaの言うE線なのかもしれません(もう0.01nmほど波長がおおきいところのような気もしますが)

ところでWikipediaのE線と書いたのですが、正確に書くとWikipediaにあるのはE線ではなくE2線です。となるとじゃあE1線というのはどこにある、ということになります。

はは~ん、国立天文台のE線がE1線、と思われる方もいらっしゃると思いますが、それはないと思います。フラウンホーファー線の記号や数字は波長が長い方から短い方に向かってつけられています。国立天文台のE線はWikipediaのE2線より波長は短いですからE3線とかE4線じゃなきゃおかしいです。

結論らしき結論がない記事になってしまいましたが、フラウンホーファー線の名前(記号)というのは歴史的ないろいろがあるようでなかなか一筋縄ではいかないです。

特に目立つ吸収線に記号をつけたというような説明もあるのですが、実際にフラウンホーファー線の写真を撮って調べると記号がついた吸収線より強い吸収線はいくらでもあります。なぜこういうことになったのか調べてみるとおもしろそうです。

Fraunhoferimgp3768e



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