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2016年7月26日 (火)

簡易分光器の特性をExcelでシミュレーションする

これまでの記事

 簡易分光器の原理(仕組み) (1)
  「
簡易分光器の原理(仕組み) (2)

をもとに簡易分光器の特性(特に色分解能)を考えてみます。

つまり簡易分光器の製作記事を見てどのくらいの分解能が得られるか予想したり、設計(スリットや回折格子の位置関係)段階で作り方に問題がないかチェックできるようにしようということです。

なおこの記事(というかExcelシート)にはかなりあやしいところがあります。こういうのを公開するのは恥をさらすことになりかねないのですが、このようなのはあんまり見かけないので“たたき台”としての意味はあるかと思いダウンロードできるようにしました。

  「簡易分光器特性解析用(暫定)-A02.xlsx

    アップしてから気がついたのですがS37のセルが
      =S$9/S$10*SIN(T8)/2
    となっているのは
      =S$9/S$10/SIN(T8)/2
    が正しいです。たいして影響はないので差し替えは後日行います。

例えば国立科学博物館 - 理工学研究部 - 若林文高 - DVD分光器の回折条件にある簡易分光器を考えます。これは私が最初に作ったもの(簡易分光器の作り方と反省点 - DVD-ROM使用)でもあります。スリット間隔など数値に幅を持たせてあるのでそういうのは適当に決めてシミュレーションしてみました。

A20b78d7ls120s0d3f50f4

条件は右端の方に書いてあります。
左のグラフはスリットの通る位置と回折格子上の反射点の位置から画像中心に収束する光の波長をプロットしたものです。

カメラはf=50mm、F4を想定しているのでレンズの口径は12.5mmということになり、回折格子の使われている部分もこの長さになります。つまり回折格子全体(40mm)を使っていません。一般に回折格子は大きいほど色分解能(の上限)も大きくなるので有利なのですが、簡易分光器では(特にスリット・回折格子間距離が小さいと)回折格子の中央から遠ざかると急激に波長が変化するようになりかえって不利になります。この例では12.5mm(±6mm)の範囲で波長は0.3nmほど変化しています。

スリット間隔は0.3mmなのですが、スリットのどこを通過するかで波長は0.6nmほど変化しています。回折格子上の反射点の位置の影響が0.3nmなのでスリット間隔を小さくした場合1/3(0.1mm)くらいまでどんどん色分解能があがっていくものの、それより小さくしてもほとんど色分解能はよくならないと思われます。

上の条件では画像中心波長のばらけぐらいから考えると半値幅は0.8nmくらいではないかと思います。これは国立科学博物館 - 理工学研究部 - 若林文高 - DVD分光器の回折条件の図2から予想される半値幅とだいたいあっているような気がします。
  

--------
 
Excelでやっていること。

まずf2(≒P~Rsの距離)を適当に仮定します。

スリット中央を通った光が回折格子で反射して画像中央に届いたとしたときその波長を求めます(考え方は簡易分光器の原理(仕組み) (2)にあるとおりです)
A0101

これをスリット中央とともにスリット上端、スリット下端、さらに上下端と中央との中点の5箇所について行います。

以上の結果を集約します。
A0102

(上図右側)このときカメラレンズの口径を考慮し回折格子の使われていない部分に相当するデータは取り除きます(FALSEとなっているところ)

(上図左側)さらにスリットの中央、上下端で回折格子の中央及び両端の波長を取り出します。

これらの波長ができるだけ一致するようなf2の値を探します(Excelのソルバーを使います)
このf2を探すという操作はカメラのフォーカスリングを回してピントが合うところを探すことと同じです。
A0103

-------  ここから先は理論的裏付けも論理性もないです ------

波長の最大最小の間を適当に分割し各波長範囲にあるデータの数を数えます。
このときそれぞれの波長はある程度の幅を持っていることを考慮し隣の波長範囲にある波長の影響も考慮します(ここのやり方が特にまずいです。次の改良の最初のテーマです)
A0104


以上から得られたデータをグラフにしたものが最初に紹介したものです。



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