シュレッダー過熱対策用ファンの効果 - 温度変化の違い
「シュレッダーの過熱対策に冷却用ファンをつけてみた」で冷却用ファンは効果があるということは書いたのですがあんまり具体的でなかったのでファンがあるときとないときの温度変化の違いを調べてみました。
どこの温度を測るかが問題ですが、比較的簡単に取り付けられるところということで内部は積層構造になっておりモーターのステータと思われるところにしました。
Pt100(0℃での抵抗値が100Ωの白金薄膜抵抗、測温抵抗体)をプラ板の弾力でステータに押し付けています。
こちらは測温抵抗体とサーミスタをパーマセルテープで貼り付けています(サーミスタの校正を兼ねてということでこの記事で温度というのは測温抵抗体で測ったものです。サーミスタで作った温度計を校正するのはけっこう面倒です)
測温抵抗体については次の記事とそこからリンクされている記事をご参照ください。
「(白金)測温抵抗体(Pt100、白金薄膜抵抗)の使い方 - 基礎編というか入門編というか....」
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まず単純にシュレッダーのスイッチを入れっぱなしにして稼働状況と温度変化を調べてみました。紙は投入していません。
前半がファン無し後半がファンありです。室温が33℃~34℃あるという過酷な条件でのテストです。
最初はシュレッダー全体が室温のところから始まるので4分弱とけっこう長く動作します。過熱のためシュレッダーが動作を停止ししばらく経つとまた動き出すのですが、室温まで下がるわけではないので二回目からは2分前後しか動作しなくなります。
この動作する時間はファンがあってもなくてもさほど変わりませんでした。ファンがないと2分くらい、ファンがあっても2分30秒くらいです。
しかしいったん止まって再度動き出すまでの時間はファンの有無でぜんぜん違ってきました。ファンがないと(定常状態では)20分くらいになるようですが、ファンがあると4分以下です。
ケースの温度はファンがあるときとないときでは10℃くらい違います。ケースの中に熱がこもっているということでしょう。
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ファンがないときは2分稼働、20分停止ですから稼働率は10%以下ということになります。一方ファンがあれば2分30秒稼働、4分停止ですから稼働率は40%弱です。
ただ実際には紙を細切れにするためにシュレッダーを使っているわけで、ダストボックスから紙くずを取り出したり、用紙をシュレッダーの投入しやすいように整えたりする作業があります。このときファンがあると急速に温度が下がるので稼働率はもう少し上がります。
実際にシュレッダーを使っているときの温度変化です。
図の矢印で示した部分がゴミを取り出すなどの作業をやっているところです。4分~5分作業して4分停止くらいですので、感覚的には稼働率は50%を上回っています。
なお書類の仕分けみたいなことまで考えるとシュレッダーを使うのは断続的だと思います。そういうトータルで見たらシュレッダーを連続的に使うほどには書類がないときはシュレッダーが過熱して動かなくならないようにするのがポイントでしょうか。いったん止まるとファンがあっても4分は動かなくなります。今回のケースだと内部の温度が75℃くらいになったらいったん作業をやめて残った分は次に回すとかやっていればシュレッダーがいつでも使える状態が保てるかもしれません(これはフラストレーションがたまらないというだけでスループットが上がるわけではありません)
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前記事に書きましたがこういうファンを追加する方法は安全性の問題が生じる可能性があります。シュレッダーが待機状態になったときだけファンを回転させるというのが効果的で比較的安全な使い方かもしれません。
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