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2016年8月 7日 (日)

太陽の赤経・赤緯・地心距離をExcelで求める(海洋情報部の計算式) 2017年版

2018年版(2013年1月1日~2018年12月31日)のExcelファイルを作りました。

  「太陽の赤経・赤緯・地心距離をExcelで求める(海洋情報部の計算式) 2018年版


“太陽の”となっていますが、ダウンロードできるExcelファイルは太陽のシートをアクティブにしてあるだけで、月のシートも惑星のシートも2018年版になっています。


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海上保安庁・海洋情報部の計算式とデータを利用して太陽と月の視位置を求める2017年版のExcelシートを作成しました(2013年1月1日~2017年12月31日の範囲で利用できます)

  Excel_Sun_Moon_Star_2017.xls

    コメントでご指摘いただいているようにこの中の計算式には誤りがあります。
    (今差し替える時間的な余裕がなく)お手数ですが修正の上お使いください。
    “月視位置”のシートで地心距離を計算しているC29(E29、G29、...も)のセルは
        =1737.4/TAN(D33)/384400
     とありますが
        =1737.4/SIN(D33)/384400
     が正しいです。 


      月の視位置計算で地心距離の計算に誤りが.....
      
このブログの変更履歴・正誤表など


  以下のものが含まれています。
  ・太陽の視位置(海洋情報部の計算式)
  ・月の視位置(海洋情報部の計算式)
  ・月の観測値から見た視位置(海洋情報部の計算式+α)
  ・恒星の星表位置から視位置を求めるシート
   (有効数字8桁程度の精度があります)
  ・度分秒と小数の度の相互変換

なおおまけの“恒星位置計算”シートは2016年版(及びそれ以前)には視線速度がゼロでないときの固有運動の計算(恒星の視位置に対する固有運動と視線速度の影響)と年周視差の計算(単位はmasなので1000で割らなければならないのをそのまま使っていました)に誤りがありましたので2017年版では修正しました。

計算結果と「国立天文台 - 暦計算室 - 暦象年表」との比較

Sun2017

関連

  「
太陽の赤経・赤緯・地心距離をExcelで求める(海洋情報部の計算式) 2017年版
  「
月の赤経・赤緯・地心距離をExcelで求める(海洋情報部の計算式) 2017年版
     (Excelシートは同じものです)

  惑星(金星・火星・木星・土星)の赤経・赤緯・地心距離をExcelで求める(海洋情報部の計算式) 2017年版
   (太陽、月、恒星の視位置の計算シートも含まれていますが、それらの暦象年表との視位置の比較は含まれていません)

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  「
太陽の赤経・赤緯・地心距離をExcelで求める(海洋情報部の計算式) 2016年版
  「
月の赤経・赤緯・地心距離をExcelで求める(海洋情報部の計算式) 2016年版

  「
恒星の位置計算 - ヒッパルコス星表の使い方から大気差の計算式まで

  「
記事目次・趣味の天文計算
  「
記事目次・掩蔽(星食)

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関連記事と外部リンクのリストExcelで天文計算・記事目次とリンク集

内容は毎日あんまり変わらないのですが、検索で直接このページに来た方もいらっしゃると思うので....

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目的
  任意の中央標準時における太陽の赤経・赤緯・地心距離を求める

座標系
  ICRS/ICRFJ2000.0座標系平均位置真位置視位置(地心)、視位置(測心)
適用期間
  2013年1月1日~2017年12月31日(拡張可能)

計算手法
  海上保安庁海洋情報部の計算式による(記事本文参照)

精度
  度の表示で小数点以下第5桁目に若干の誤差あり
  (小数点以下第5桁=度分秒の0.04秒、時分秒の0.002秒)

備考・使用上の注意
  月及び主要な惑星についても同様の記事があります。

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海上保安庁海洋情報部」では太陽の視位置の概算式を提供しています。

概算式とは言ってもこの海洋情報部の計算式はけっこうな精度があります。ウソだと思ったら「天文計算サイトの精度比較 - 月の視位置(赤経・赤緯・黄経・黄緯・位相角・輝面比)」を御覧ください (^^;;

海上保安庁海洋情報部 - 海の情報  - 天文・暦情報」 にデータがあります。

なお海上保安庁海洋情報部というのはその昔海上保安庁水路部という(天文計算マニアには)懐かしい名前だったところです。

  「平成29年版 解説と計算例
  「解説と計算例」 (2016年版)
  「解説と計算例」 (2015年版)
  「解説と計算例(PDF)」 (2014年版)
  「解説と計算例(PDF)」 (2013年版)

に計算方法があり

  「平成29年版計算用数値 」 (PDF)
  「計算用数値(PDF)」 (2016年版)
  「計算用数値(PDF)」 (2015年版)
  「計算用数値(PDF) 」 (2014年版)
  「計算用数値(PDF) 」 (2013年版)

あるいは

  「平成29年版計算用数値 」 (テキスト)
  「計算用数値(txt)」 (2016年版)
  「計算用数値(txt)」 (2015年版)
  「計算用  「数値(テキスト) 」 (2014年版)
  「計算用  「数値(テキスト) 」 (2013年版)

が計算に必要なデータ(係数)があります。

計算方法は別に年度によって異なるわけではありませんがΔT(地球時-世界時)は変化しますのでその点は注意します

-------

太陽(つまり太陽に対する地球)だけでなく、月、惑星(金星、火星、木星、土星)、黄道傾斜角、主な恒星の位置を知るためのデータ(係数)が提供されています。

この計算式による計算結果は掩蔽などの予測に十分使える__つまりアマチュア的には十分な__精度があります。

ただ一点難点があって時期によって計算に必要な数値を変更しなければなりません。 太陽は月ほどには動きが複雑でなく係数の一つの組で四ヶ月くらい使えます(この記事からダウンロードできるExcelのファイルでは係数の切替は自動的に行うようにしてあります)


こういう略算式には

  軌道計算(+摂動)から理論的に得られたもの

  軌道計算の結果を数学的な関数と考えて近似したもの

があるようですが、上記で提供されているものは数式の形から考えて後者と思われます。

-------

今回作成したExcelのシートでは年月日から使用する係数の組を選択することによって2013年1月から2017年12月の期間で使えるようにしてあります。計算方法は「平成29年版 解説と計算例 」にしたがっています。

来年8月頃になると2018年用の係数が公開されるはずなのでそのデータを追加すれば2013年~2018年に渡って使えるようになります。データは2008年のものからあり2008年から通して使えるものも作れるのですがあんまり必要性がないのでまだ作ってません。

参考

  水路部の略算式
    「海上保安庁水路部の略算式 - 月の位置の略算(1) 黄経
    「海上保安庁水路部の略算式 - 月の位置の略算(3) 観測地から見た赤経・赤緯と方位角・高度
    「海上保安庁水路部の略算式 - 月の位置の略算(2) 黄緯と赤経・赤緯

    「海上保安庁水路部の略算式 - 太陽位置の略算(1)
    「海上保安庁水路部の略算式 - 太陽位置の略算(2) 黄経
    「海上保安庁水路部の略算式で太陽の視位置(赤経、赤緯)を求める

    「日の出・日の入りの計算」の略算式で太陽の黄経を求めてみた

    「理科年表(暦象年表)における太陽の黄経の意味
    「海上保安庁水路部の略算式はいつまで使えるか? - 太陽の黄経を例に」

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天文計算」カテゴリの記事

コメント

初めまして、セピーナ様。
Excel_Sun_Moon_Star_2017.xlsは、とても素晴らしいツールです。
天体のシミュレーションソフトの単体試験にとても有効です。
一つ、質問があります。
シート名=月視位置 において、
[C29]=1737.4/TAN(D33)/384400
と、なっておりますが、
[C29]=1737.4/SIN(D33)/384400
ではないでしょうか。
月の半径と、その接線は直行していると思います。
よろしく、ご確認をお願い申し上げます。
もし、私の考えがまちがっていたら、取り消し、ここにお詫び申し上げます。

以上
2016/9/13

おっしゃるとおりです。ここはtan()ではなくsin()を使うべきでした。
「でも遠くにあるのだからそんなに影響はないのでは?」と思ったのですが、実際に計算してみると結果が改善しますね。暦象年表に対する誤差が1/3くらいに小さくなるようです。他の数値に比較して地心距離の誤差がちょっと大きく感じたのはこれが原因だったようです。
計算内容を検討・検証される方がいらっしゃるとほんとうにありがたいです。
ご指摘ありがとうございました m(._.)m

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関連する記事三つと「このブログの変更履歴・正誤表など」の記事に計算式の誤りとその対応について追記させていただきました。

セッピーナ様、こんにちは。
iPhoneアプリで月の動きを簡易的に解説するアプリを開発しているexampapaと申します。
セッピーナさんが月の位置の計算式をexcelで再現されているおかげで、月の方角を正確に知るやり方がわかりました。
セッピーナさんの、天体の知識の豊富さには頭が下がります。

私自身、セッピーナさんの解説されている天体の計算式をよく理解していないのですが、excelの計算式を検証している中で間違いと思われる部分がありましたので、ご確認いただけますでしょうか。

1)時刻引数tの計算式について

Excel_Sun_Moon_Star_2017.xlsの観測地の月視位置シートのC67セルの式ですが、日本時間から135度(9時間)分マイナスされている部分があります。
この式では、例えば日本時間が午前5時の場合、数値が-60度(-4時間)になるのですが、世界時では20時になりますので+300度にならなければいけないのではないでしょうか。
私もよくわかっていないのですが、実際の月の方角と照らし合わせている時、4度ほどずれており、おかしいと思ってこの部分を修正すると正しい方角となりました。
こちら間違いがないか確認いただけますでしょうか。

2)月の視半径計算の係数について

セルC61の係数が0.2724になっていますが、海上保安庁海洋情報部の解説では0.2725になっていますが、これは何か理由があるのでしょうか。

以上、2点となりますが、素人の私が指摘すること自体おこがましいのですが、
セッピーナさんに確認いただければ幸いです。

今後もこのサイトで勉強させていただければと思います。
よろしくお願いします。

Excel_Sun_Moon_Star_2017.xlsはたぶん実際に使う方はいらっしゃらないだろうと思ったのですが、内容まで細かくチェックしていただけるとはうれしい限りです。
じつは今PC環境を設定し直しているところでご質問についてはきちんと調べた上であらためて回答させていただきますが、記憶の範囲で書けば....
まず、時刻の計算ですが、中央標準時(日本標準時)が4日午前5時のとき世界時は3日午後8時ですので135度(9時間)分マイナスするということ自体は間違っていないように思います。もし結果に誤りがあるとすればそれ以外の計算に勘違いがあるのかもしれません。よろしければ具体的な結果を教えていただけませんでしょうか。
次に視半径計算の係数ですが、これはご指摘のとおり海洋情報部の資料にあるものとは違う数値を使っていると思います。この理由は海洋情報部視半径を計算したところ実際の値と少し違っており、それを調整するためだったと思います。ただ記事のイタリックの部分(追記した部分)にあるように視半径の計算式が間違っていたわけで、現在の計算式だと海洋情報部の数値を使った方がいい結果が得られるかもしれません。これについては再度両方の数値で計算を行い確かめてみます。
ご指摘感謝いたします m(._.)m

セッピーナさん、ご返信ありがとうございます。
セッピーナさんの作られたExcelシートは本当に素晴らしいものです。
また、解説も詳細であり、本当に感謝、感服いたします。

私の質問につきましては、後日検証いただけるとお聞きし、嬉しい限りです。お時間気にしていませんので、よろしくお願いします。

具体的な結果ですが、2016年10月27日午前5時に設定した場合、方位角が107.190227351930になりますが、セルC67のtの式内のC62-135の部分を300(これは20*15です)にすると102.697271448009と約4.5度変わります。実際、この時間に月の方位を目視していた所、どうも107度では少しずれるなと思い、疑問点としていた世界時の計算式をマイナスにならないように計算した所、102度であっているように思われました。

私の勘違いであれば申し訳無いのですが、ご検証のほどよろしくお願いします。

PS 本当はもう1箇所どこかのセルで、参照先の数値がSUBSTITUTEか何かで一度変換され、再度また戻した(もしかしたらdegreeとradiansの変換だったか)数値になっている箇所があり、小数点以下の数値が少し変わる所があったのですが、どこだかわからなくなりました。わかりましたらまたご連絡します。

具体的な数値をご提供いただきありがとうございました。いただいたデータをもとに確認させていただきます。
それからdegreeとradianの変換・逆変換では表示桁数を増やしたときご指摘のような現象が起きる可能性があります。これは私も体験しております。確か秒を小数点以下2桁か3桁まで表示したときの現象だったと思います。Excelの関数自体の制約なのか、私の使い方に問題があるのかは未確認です。
せっかくご指摘いただいたのですから、これについてもあらためて調べてみたいと思います。
細かいところまで御覧いただいたようでほんとうにありがとうございます m(._.)m

この記事へのコメントは終了しました。

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