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2017年5月 3日 (水)

太陽・月・惑星視位置の海洋情報部近似式の係数の求め方

海上保安庁海洋情報部(昔の水路部)が提供する太陽系天体の視位置の計算式は歳差がどうだとか年周光行差がどうだというような余計な計算をせずに比較的正確に視位置を求めることができる近似式なので私みたいに天文計算をExcelで済ませてしまおうという人間にはなかなかに便利です。

ただ近似式の係数は海洋情報部が提供するものを使うわけですから、係数が提供されていないものは計算のしようがありません。水星や天王星以遠の惑星・準惑星の視位置がそうですし、太陽・月・金星・火星・木星・土星であっても(2017年5月現在で言えば)2019年以後の視位置がそうです。

海洋情報部方式で水星の視位置(赤経・赤緯)を求めるには....ではこの係数を“力づく”で求める方法を書きました。

最近この件について次のようなコメントをいただいたので紹介しておきます。

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遅くなりましたが、私の方法での計算式が入ったエクセルデータをメールで
送らせていただきました。

海洋情報部の式は、以前は摂動項を拾い出して作っていたものと思われますが、
最近の天測暦にのっているものは、
別の方法で求めたものを日付範囲限定でcos関数で近似しているものと思います。

三角関数での近似ですしcosの計算がcosNθとなっているところから、
フーリエ変換しているのであろうとあたりをつけて試し始めました。

やってみて気づいたのですが、フーリエ変換では結果が複素数となりsinとcosを両方使うか、
偏角を加えるかになってcosNθだけで計算している海洋情報部の式とは合いません。

ここで、ふと、コサイン変換では?と気づいて色々調整...

ウィキペディアの離散コサイン変換の記事を引用すると、
「なお、DFTも偶関数数列に対しては実係数を返す、つまりコサイン成分のみとなるが、
 DCTはy軸で折り返して偶関数化してDFTすることと等価であり、実際にそう計算することが多い。」
ということなので、データを整えて分析ツールアドインのフーリエ変換で何とかなるだろうと..

結果、日付の逆順に並べ、範囲の初日で折返して偶関数とし、
コサイン変換すると結果が海洋情報部の係数とよく合うということが分かりました。

お送りしたデータの月と金星のデータは、その検証用です。
海洋情報部の係数に極めて近い値が出ました。

これが、先のコメントで「かなりの高精度で」と書いた意味です。

コサイン変換した近似式ですので、海洋情報部純正の係数でも真値との誤差は避けられず、
たぶん、その精度は10^-5程度ではないでしょうか。


投稿: 孔雪 | 2017年5月 2日 (火) 00時04分


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現在いただいたExcelファイルをもとに方法を確認中です。このことについて記事にできるのがいつになるかわからないのでひとまずいただいたコメントを紹介させていただきました。

なおコメントとともにいただいたExcelファイルについては孔雪さんの了解をいただければこの記事からダウンロードできるようにします

孔雪さんからお許しをいただいたので孔雪さんからいただいたExcelファイルをダウンロードできるようにしました。

  水路部データDCT 部分.xlsx 」  (2,678kb)

孔雪さんからはさらに詳細な説明・データをいただきましたので、それについては次の記事で紹介する予定です。

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参考
  国立天文台 - 暦計算室 - 暦象年表
  
(NASA)JPL Horizons Web-Interface

  水路部の略算式
    「理科年表(暦象年表)における太陽の黄経の意味
    「海上保安庁水路部の略算式 - 太陽位置の略算(1)
    「海上保安庁水路部の略算式 - 太陽位置の略算(2) 黄経

  海洋情報部の近似式
    「太陽の赤経・赤緯・地心距離をExcelで求める(海洋情報部の計算式) 2017年版
    「月の赤経・赤緯・地心距離をExcelで求める(海洋情報部の計算式) 2017年版
    「惑星(金星・火星・木星・土星)の赤経・赤緯・地心距離をExcelで求める(海洋情報部の計算式) 2017年版

  海洋情報部の近似式の発展(係数の決定法)
    「海洋情報部方式で水星の視位置(赤経・赤緯)を求めるには....
    「水星視位置の海洋情報部近似式の係数の求め方

  天体の位置計算について
    「恒星の位置計算 - ヒッパルコス星表の使い方から大気差の計算式まで
    月の視位置計算で地心距離の計算に誤りが.....
    「このブログの変更履歴・正誤表など

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