カテゴリー「編集用」の219件の記事

2014年1月17日 (金)

ケーターの可逆振り子 - 重力加速度の測定

可逆振り子を作って重力加速度を測定してみましたので、実験方法や失敗談や結果を記事にしていきます。

  ==> ケーターの可逆振り子の作り方 - 1 - 重力加速度を測る
     ケーターの可逆振り子の設計法 - 重力加速度を測る
     ケーターの可逆振り子の実験例 - 重力加速度を測る
     「ケーターの可逆振り子の間違った作り方 - 重力加速度の測定

要点だけ知りたいという方のために参考になるサイトを紹介しておきます。

  東京大学 久我隆弘教授 - ケーターの可逆振り子(重力加速度測定)
  「
電気通信大学 - 基礎科学実験A

またここには動画があります。
  東京大学情報基盤センター - 基礎物理学実験 - 予習用の動画ファイル

重力加速度の測定というとすぐに自由落下を思いつく方が多いと思いますが実際にやろうとするとけっこうたいへんです。

プロはこんな感じらしいです。
  国土地理院 - 絶対重力測定

時間の測定は素人でもそうとうに正確に測れます。例えば
  「重力加速度測定装置 - プロトタイプ

問題は(落下)距離を正確に測ることです。

なお、斜面にボールを転がして....、というのはやめた方がいいと思います。問題が複雑化するだけでしょう(摩擦とか回転モーメントとか)

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関連

記事一覧(測定、電子工作、天文計算

  重力加速度測定
  「ケーターの可逆振り子の作り方 - 1 - 重力加速度を測る
  「ケーターの可逆振り子の実験例 - 重力加速度を測る
  「ケーターの可逆振り子の設計法 - 重力加速度を測る
  「ケーターの可逆振り子の間違った作り方 - 重力加速度の測定

  「重力加速度測定装置 - プロトタイプ

  時刻時間測定
  「時刻標準について

2013年12月20日 (金)

GPS測位情報の時刻は前か後か?

勘違いされると困るのでちょっと補足しておきます。
この記事を読んでGPS受信モジュールの測位情報にある時刻は直前の1PPSの出力時刻を示していると決めつけない方がいいです。
規格では次の1PPSですから、今回テストしたGM-316が規格とは違う実装をしている、あるいは私の調べ方に問題がある、くらいに考えていた方が安全だと思います。

いろいろな報時信号の進み遅れについてはネット上にもいろいろ書いたものがあるのですが実際に調べてみたら違っているのではないかと思われるものも多かったです。あくまで自分の使う機器について実証的に徹底的に調べるという方針の方がいいと思います。

(2013-12-20 13:28:58)
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ほよほよさんの記事(というかそのコメント)

  「GPGGAメッセージからUTC Timeを取り出す

を拝見して思わず考えこんでしまいました。

ほよほよさんはNMEA-0183の規格を確認されたそうで測位情報に含まれる時刻について

GPGGAなどメッセージに含まれる情報は、”次ぎ”の1pps(世界標準時に完全に同期した信号)に対するものである

と規定されているそうです(NMEAというのはGPS機器みたいな航法機器が(周辺の機器)とやりとりするデータのプロトコルに関する規格だったと思います)

私は測位情報にある時刻というのは直前の1PPS信号の出力された時刻を示すものと思い込んでいたものでこれは青天の霹靂でした。

思い込んでいたと言ってももちろんそう決めつけていたわけではなくて自分なりに調べてそう判断したわけですが....

ヘタをするとこれまで書いた記事を全部チェック・修正しなければならないわけで心配になってどうなっているか調べてみました。

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精度的にはちょっと問題があるものの正しい時分秒がわかりやすくいつも受信できるということで電波時計モジュールのパルス出力と比較してみました。


上が電波時計モジュールの出力、下がGPSモジュールGM-316の測位情報出力(TXA端子から出力されるもの)です(GPSの1PPS出力は記録していませんが上の電波時計モジュールの方の下向きのトゲと同じタイミングで出力されます)

電波時計モジュールCME6005の出力を見ると下向きのトゲと上向きのトゲがありますが下向きが秒パルスの開始、上向きが終了です。下向きのトゲは等間隔(と言ってもじつは0.01秒くらいのばらつきがあります)に並んでいますが上向きのトゲは不規則です。つまりパルス幅が秒ごとに違っておりこれを使って時刻情報が送出されています。
ABのところを見ると下向きと上向きのトゲの間隔が狭くなっており幅の狭いパルスであることがわかります。これは毎9秒に送出されるポジションマーカーと言われるものです。
したがって10秒後にもポジションマーカC,Dがあります。
そしてC,Dに引き続きE,Fと続けて幅の狭いパルスが送出されていますがこれが00秒=分のはじめを示すマーカーになります。

ということでE,Fの秒信号の直後に送出されたGPS受信モジュールの測位情報Gにどんな時刻情報があるか調べれば真実(?)がわかるはずです。


測位情報はRS232のようなシリアルデータなので波形からどんなデータが送られているか調べることができます。
緑色の線がスタートビットの終わり、黄色の線がストップビットのはじまりでこの間にデータがあります。上は「$GPGGA,」に引き続いて送られるUTCのデータの一部(分秒のところ)です。

データは下位ビットから送られていることを考慮にいれると一番左は「00110010」=0x32で数字の“2”です。同じように読み取っていくと“2600.000”となっています。つまり“26分00.000秒”であることを意味しています。

ということで少なくともGM-316に関する限りは測位情報にある時刻は直前の1PPS信号の出力時刻を示すと考えてよさそうです。

可能性としては、

  じつはGM-316の内蔵時計が1秒遅れていた

なんてことも考えられるのですが....

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関連記事

  「時刻標準のまとめと関連記事一覧編集

星食予測(2013~2014年版)



9月28日の土星食の予測図作成機能つきExcelを用意しました。

  「予測図作成機能付き9月28日の土星食予想

(2014.08.05)
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2014年8月の星食予測については以下をご参照ください。

  「セッピーナの趣味の天文計算 - 2014年8月の星食(掩蔽)予測

今月からSVGで星食予想図を作れるようになりました (^^)

(2014-08-03 23:05)
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2014年7月の星食予測については以下をご参照ください。

  「セッピーナの趣味の天文計算 - 2014年7月の星食(掩蔽)予測

今月も梅雨時らしくあんまりはなばなしい掩蔽はなさそうです (^^;;

(2014-07-04 21:57:16)
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2014年9月28日の土星食の予測を用意しました。

  「セッピーナの趣味の天文計算 - Excelで予測する9月28日の土星食

白昼のイベントですがめったにないことなのでぜひ見てみたいものです。

なお、この土星食に関しては「国立天文台 - 天文情報センター」の予測を使えば必要な情報は入手できる思います。今回のExcelシートは今行っている掩蔽予測の計算手法に問題がないことの検証用と受け取っていただければと思います。

  「国立天文台 - 天文情報センター - 暦計算室 - 暦象年表 - 惑星食


(2014.05.26 15:30)
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2014年6月の星食予測については以下をご参照ください。

  「セッピーナの趣味の天文計算 - 2014年6月の星食(掩蔽)予測

6月はあんまりはなばなしい掩蔽はなさそうです。まあ梅雨どきですからちょうどいいんじゃないでしょうか (^^;;

(2014.05.25 00:45)
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最接近時刻を求める繰返し計算にまだ問題がありましたので再度修正しました。今度はだいじょうぶだと思います (^^)

2014年4月12日から5月31日までの20個の掩蔽のデータを用意しました。

  「Occult_Ver.4.5.xls

(2014-04-12 20:16:54)
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繰返し計算での問題と0.1分単位の表示のときの問題に対応しました。4月分の星食は一般的に観測できるものに関しては4月12日で終わりです。

  「Occult_Ver.4.4.xls

(2014-04-12 14:33:17)
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繰返し計算の方法・パラメータ設定に問題があり正しい結果が得られないケースがあります

この場合「サマリー」のシートのF列にある時刻を+1あるいは-1して試していただけますでしょうか
例えば“21h”で適切と思われる結果が得られない場合はこれを“20h”とか“22h”としてみます。

星食が起きるはずなのに“月縁からの離角 0.0x度”と表示され潜入と出現の時刻が同一になっているケースはこれに相当します。

お手数をおかけし申し訳ありません m(._.)m

(2014-04-09 09:17:20)
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4月の天文年表と理科年表にあるもののデータを追加しました。

  「Occult_Ver.4.3b.xls

下記の0.1分単位の表示にしたときの問題はまだ残っています。

(2014-04-05 15:26:12)
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Ver.4.3bをリリースします。
サボっていたので4月の第一週のぶんだけです。すみません m(._.)m

  「Occult_Ver.4.3b.xls

ちょっと問題があります。予測時刻の表示単位を0.1分にしたとき正しく表示されないケースがあります。

表示を0.1分単位にしたとき分の表示が3桁になる場合は3桁目を除き二桁目を+1してください。この問題については現在対応を検討中です。



“151.0分”と表示されたら“16.0分”としてください。


(2014-03-30 22:26:45)
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Ver.4.3aをリリースします。
「最接近」のシートのBA53のセルの計算式が間違っていたので修正したのですが予測時刻には影響ないはずです。
  「Occult_Ver.4.3a.xls

4月分の星食データを追加したものもそろそろアップロードする予定です。

(2014-03-08 14:20:36)
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Ver.4.3をリリースします。3月までの掩蔽について「星食観測ハンドブック2014」にあるものを追加しました。
予測時刻の精度として分(0.1分)と秒を選択できるようにしました。ブログの記事に使う場合は分の精度を使うことをお勧めします。

  「掩蔽_2014_Ver.4.3.xls

(2014-02-12 19:37:00)
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1月13日未明の5.1等星(97 Tau)の掩蔽の撮影データの分析結果を作成しました。


  「掩蔽観測_20140113_HIP22565.xls

分析に使用した画像はシート「資料画像」に貼り付けてあります。

(2014-01-14 14:00)
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2月と3月の恒星リストを更新しました。最接近時刻を求めるところの繰返し計算のパラメータを変更しました。

  「掩蔽_2014_Ver.4.2.xls

ボールドは使わないようにしようかと思ったのですが今回は以前のままにしてあります。

(2014-01-13 15:20)
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潜在バグみたいなのがありましたので修正版を作りました。

  「掩蔽_2014_Ver.4.1.xls

太陽表インデックスのセルでindirect()関数の中に行・列を表す数字が全角になっているところがありました。こんなへんなのでもExcelだと問題なく動作してしまいますがLibreOfficeでエラーが発生しました。

(2014-01-05 11:10)
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一日遅れましたがVer.4をリリースします。今回は恒星のデータを視位置だけでなくヒッパルコス星表のデータでも入力できるようになっています。これによって恒星のデータの使い回しができるようになります。
他にも星食が起きないと算出されたケースでは月縁から恒星までの離角を表示するようにしました。もしこの数値が小さければ接食の可能性がありますので「星食観測ハンドブック」などで接食の情報を確認していただきますようお願いします。

  「掩蔽_2014_Ver.4.0.xls

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現在の基本公式の内容は以下のとおりです。

ユリウス日、ユリウス世紀数を求める
太陽の視位置(赤経・赤緯・地心距離)を計算する(海洋情報部の計算式・係数によります、2013年1月1日~2014年12月31日で使えます)
月の視位置(赤経・赤緯・地心距離・視半径)を計算する(海洋情報部の計算式・係数によります、2013年1月1日~2014年12月31日で使えます)
極座標(赤経・赤緯)から方向余弦を求める
極座標(方位角・高度、時角・赤緯)から方向余弦を求める
方向余弦から極座標(赤経・赤緯)を求める
方向余弦から極座標(方位角・高度、時角・赤緯)を求める
座標(方向余弦、ベクトル)をx軸回りに回転する (1)
  行列(マトリックス)演算による方法
座標(方向余弦)をx軸回りに回転する (2)
  上と同じですが直接計算式を書いたものです。
座標(方向余弦)をy軸回りに回転する (1)
  行列(マトリックス)演算による方法
座標(方向余弦)をy軸回りに回転する (2)
  上と同じですが直接計算式を書いたものです。
座標(方向余弦)をz軸回りに回転する (1)
  行列(マトリックス)演算による方法
座標(方向余弦)をz軸回りに回転する (2)
  上と同じですが直接計算式を書いたものです。
平均黄道傾斜角を求める
グリニッジ平均恒星時を求める
章動を求める(主要項のみ)
  月・平均近点角
  太陽・平均近点角
  月・平均緯度引数
  月・太陽・平均離角
  月・平均昇交点経度
真黄道傾斜角
グリニッジ視恒星時を求める
赤経・赤緯を黄経・黄緯に変換する
赤経・赤緯を黄経・黄緯に変換する(計算式を直接書いたもの)
黄経・黄緯を赤経・赤緯に変換する
黄経・黄緯を赤経・赤緯に変換する(計算式を直接書いたもの)
固有運動を適用する(「天体の位置計算」にある厳密な計算方法です)
一般歳差を適用する(J2000.0から平均位置へ)
章動を適用する(平均位置から真位置へ)
章動を適用する(平均位置から真位置へ)(「天体の位置計算」の簡略計算法)
年周視差(「天体の位置計算」にある厳密な計算法です)(作成中)
年周視差(「天体の位置計算」にある簡易計算法です)
年周光行差(「天体の位置計算」にある厳密な計算法です)(作成中)
年周光行差を求める(「天体の位置計算」にある簡易計算法です)
極運動(作成中)
日周光行差(作成中)
大気差(作成中)
地方恒星時(視恒星時、平均恒星時)
赤経・赤緯から時角・方位角・高度を求めます(大気差、極運動、日周光行差は考慮していません) (1)
  教科書によくある式です。
赤経・赤緯から方位角・高度を求めます(大気差、極運動、日周光行差は考慮していません) (2)
  時角と赤緯から方向余弦を求め北極との緯度の差だけy軸の回りに回転して方位角・高度を求めます。
赤経・赤緯から方位角・高度を求めます(大気差、極運動、日周光行差は考慮していません) (3)
  赤経・赤緯から方向余弦を求めまず地方恒星時+πだけz軸回りに回転し次に北極都の緯度の差だけy軸回りに回転します。

(2014-01-01 21:20)
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Ver.3.6.3で二点不具合がありました。

  「恒星時」のシート
  グリニッジ視恒星時とグリニッジ平均恒星時の差の計算式に誤りがありました。

  「潜入」、「出現」のシート
  ΔTの取得の方法に誤りがありました。

前者は計算結果に対する影響は無視できるレベルであり後者は(2013~2014年では)まったく結果に影響はありません。

現在恒星の視位置を星表位置から求めるようにしたVer.4.0を作成中であることもあり今回は修正版はリリースしません。

Ver.4.0は年内リリース予定です。

(2013-12-28 18:21)
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もう書きたくないのですが暗縁・明縁の判別に間違いがありましたので修正しました。

  「掩蔽_2014_Ver.3.6.3.xls

こんど同じような不具合があったらこっそり修正します (^^;;

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なお現在Excelの基本公式のシートにあるのは次のものです。恒星の位置計算に必要なものを追加しました。
次は太陽や月の自転軸の計算かなあと思ってます。
恒星の位置計算については極運動と日周光行差が残っているのですがこれらは掩蔽の時刻予測にはあんまり影響なさそうなので後回しになるかもしれません。



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赤経・赤緯から方位角・高度を求めます(大気差・日周光行差・極運動は考慮していません) (1)
  教科書によくある式です。

赤経・赤緯から方位角・高度を求めます(大気差・日周光行差・極運動は考慮していません) (2)
  時角と赤緯から方向余弦を求め北極との緯度の差だけy軸の回りに回転して
  方位角・高度を求めます。

赤経・赤緯から方位角・高度を求めます(大気差・日周光行差・極運動は考慮していません) (3)
  赤経・赤緯から方向余弦を求めまず地方恒星時+πだけz軸回りに回転し
  次に北極との緯度の差だけy軸回りに回転します。

他に

グリニッジ平均恒星時、視恒星時、地方恒星時、平均黄道傾斜角、真黄道傾斜角、章動(Δψ、Δε)
    ====> 「恒星時」のワークシート

月の視位置を計算する、太陽の視位置を計算する
    ===> 「潜入」、「出現」、「最接近」のワークシート

度と度分秒、度と時分秒の相互変換
    ===> 「度分秒・時分秒の変換

にあります。

(2013-12-26 12:55)
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恒星リストに天文年鑑の1月2月の分を追加して簡単な説明をつけました。また観測地リストには主要な都市を追加してあります。

  「掩蔽_2014_Ver.3.6.2.xls


(2013-12-24 12:30)
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また不具合がありました (^^;;
月の下側で接食気味の掩蔽があるとき暗縁潜入(暗縁出現)なのに明縁潜入(明縁出現)と表示される場合がありました。

修正し、ついでに「基本公式」を追加しておきました。

カスプ角は厳密な計算を行っていないので“概算値”としました。

  「掩蔽_2014_Ver.3.6.1.xls

(2013-12-23 15:19:22)
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Ver.3.5では太陽の位置を2013年と2014年で同じものを使ってました。一年経つとだいたい同じくらいの位置にくるので意外と気がつかないものです (^^;;

今回のVer.3.6ではこの点を修正してあります。その他に次の改善点があります。

星食の有無の判別方法に誤りがありまた星食にならないときの表示内容が不適切だったので修正しました(まだ完璧ではありません)

月相を表示するようにしました。

月縁の影響を評価できるようにしました。

  「掩蔽_2014_Ver.3.6.xls

(2013-12-22 15:23:41)
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Ver.3.5ができましたのでダウンロードできるようにしました。

  「掩蔽_2014_Ver.3.5_1.xls

カスプ角を計算するようにしました。結果として暗縁での現象化明縁での現象なのかがはっきりわかるようになっています。
また月の高度が5度以下のとき、輝面比が0.8以上のとき、太陽の高度が-18度以上のときの三つはアラームが表示されるようにしてあります。


(2013-12-21 13:39:46)
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これまで掩蔽のたびに予測のExcelシートを作っていたのですが今回やっと一つのシートで複数の掩蔽に使えるものができました。
2013年から2014年の二年間の掩蔽について使うことができます。

詳しいことは

  「(再訂正)星食予測2013年12月度版

にありますが登録済みの観測地・恒星についてはドロップダウンリストから選択するだけで予測が出ます。登録されていない観測地・恒星は追加することもできます。

  「掩蔽_2014_Ver.3.4.xls

今ある恒星のデータは12月の一部と来年1月の天文年鑑にあるものくらいですが、これは今後すこしずつ整備していきたいと思っています。



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今後の展開なのですが、一つは精度の向上であり、もう一つは付加的な情報の追加です。今のところどちらにウェイトを置くか決めていませんが、目先の懸案となるとカスプ角のような重要な情報の算出や掩蔽の様子を表す図の作成のようなどうしてもほしい付加的な情報の追加とどういう要素がどのように星食の時刻に影響を与えるかの調査を並行して進めたいと思っています。

来年は星食に関係するビッグイベントとして月食と土星食がありますのでそのあたりもぬかりなくやっていきたいと思っています。

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星食(掩蔽)に関する関連記事や参考文献の一覧はこちら
  「星食(掩蔽)参考文献・関連記事一覧」 編集

  「星食予測(2013~2014年版)」 編集

2013年12月18日 (水)

(再訂正)星食予測2013年12月度版

またやっちまいました (^^;;
外部参照がまだ残っていました。ファイルは差替えましたので今度はだいじょうぶだと思います。

“潜入”と“出現”のシートに“Δψ(1)”、“Δε(2)”と項目名が表示されていますがこのカッコ内の数字を表示しているところに外部参照が残っていました。すでにダウンロードされた方はこの部分をばっさり削除していただいてもかまいません。計算結果には何ら影響はありません。

ダウンロードされた方にはお手数をお掛けしてしまい申し訳ありませんでした m(._.)m

(2013-12-19 09:12:16)
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記事とExcelのシートの内容に間違いがあったので訂正させていただきます m(._.)m
それと外部参照があるとのご指摘がありましたのでこれも修正されているはずです修正しました。ちょっと自信がないんですが....

現在2014年のあいだ一年を通して使えるものを作成中なので参考までにこれもダウンロードできるようにしました。掩蔽される恒星のデータはまだ天文年鑑にある1月の5個と検証用に2月、11月それぞれ一個ずつです。ひょっとしたらこれも外部参照が残っているかもしれません。

2013年12月用
  「掩蔽_201312_Ver.3.2(2).xls

2014年用
  「掩蔽_2014_Ver.3.3(作成中).xls

(2013-12-18 22:29:21)
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掩蔽のたびに予測用のシートをアップするのは手間なのでちょっと工夫してみました。今回はあんまりめぼしい星食のない今月後半のものですが

  観測地はドロップダウンリストから選択できる。

  恒星もドロップダウンリストから選択できる。

ようにしました。もちろん任意の観測地を追加できます

  「掩蔽_201312_Ver.3.2.xls

精度は相変わらずですが使い勝手は向上したと思います。

予測があっているか理科年表と比較する、というようなことが簡単にできます。

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以下スクリーンキャプチャが二つありますが画像にある予測データは間違った内容になっています(差し替えるのが手間で....)

観測地


理科年表天文年鑑にある観測地です。ただこの二つには沖縄がないので星食観測ハンドブック2013から那覇を追加しました。

おまけを二つ追加してあります。追加してほしい観測地があったら観測地名と経度・緯度・標高をお知らせください (^^)

恒星


検証用に16日のものがありますがこれからのは二つだけです。それもそうとうに暗い恒星です。この二つは天文年鑑の接食の項にあるものです。こちらも恒星(赤経、赤緯、掩蔽の日にちとだいたいの時刻(数時間違っていてもぜんぜん問題ないです)が必要です)の追加ができます。
ただし今回のシートで計算できるのは12月中のものだけです

TYC257-707-1(7.5)はヒッパルコス星表にないみたいで視位置はステラナビゲータのものを使わせていただきました。この掩蔽は観測地を福岡にして計算すると潜入も出現も同じ時刻になります。つまりこのあたりで接食になるようです。
この掩蔽は福岡のすぐ南(西)で接食になるようです。限界線の概要は天文年鑑、詳細な接食予測は星食観測ハンドブック 2013にあります。

(2013-12-18 09:50:05)
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星食(掩蔽)に関する関連記事や参考文献の一覧はこちら
  「星食(掩蔽)参考文献・関連記事一覧」 編集

2013年12月17日 (火)

(訂正)グリニッジ視恒星時を求める(改訂版)

グリニッジ視恒星時を求める(暫定版)」ではお見苦しいところをお見せしましたので改定しました。

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天文計算はなかなかややこしいです。Aを求めようと思ったらBを計算する必要があって、さらにBを計算しようと思ったらCを計算しなくちゃならなくって....、というのがあるとだいたい途中でいやになります。

グリニッジ視恒星時(GAST=Greemwich Apparent Sidereal Time)の計算もそうでした。グリニッジ視恒星時を求めるには真黄道傾斜角章動の値(Δψ、Δε)が必要、章動の値を求めるにはドローネ角が必要というようなことで難航しました。章動の計算で主要項しか使っていないのでまだ完全版とは行きませんがグリニッジ視恒星時の値は国立天文台・暦象年表とくらべてもほとんど差異はないので改訂版として記事にします。

  「GAST(改訂版).xls

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とんでもない間違い(GMSTからGASTを計算するところで参照先が違っていました)がありましたのでExcelのファイルを差替えました。ご迷惑をおかけし申し訳ありません m(._.)m
下の画像も差替えてあります。
(2013-12-18 06:21:03)
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計算は基本的には

  福島登志夫編「天体の位置と運動」

によっています。

平均恒星時は歳差まで考慮したもの視恒星時は章動も考慮したものになります。ですから章動の計算をちゃんとすれば視恒星時は求まるのですが、これがけっこうめんどうでした(「章動の計算(1)」)

ExcelのシートにあるΔψ(黄道に平行な方向に働く黄経における章動)Δε(黄道に垂直な方向に働く黄道傾斜における章動)の値が求まりさえすればあとは自然に求まります。

同書によれば最新の章動理論IAU 2000A(とそれを簡略化したIAU 2000B)だそうです。ですからこれに基づくのがいちばん精度がよさそうです。ただこれは月・太陽項が678個、惑星項が687個あるそうです。

同書に具体的な計算方法とその係数が書いてあるのはIAU 1980によるものです。これも係数は106個ありますが同書に書かれているのは主要項の7個だけでした。

先日の暫定版では一つの項しか使っていなかったので章動の値(Δε)が一桁しかあっていませんでした。主要7項を使うと精度は上がるのですがそれでも二桁しかあいません。そこで主要項と思われるもの23項を選んでやってみました。これで章動の値は暦象年表にあるものと一致するようになりました。グリニッジ視恒星時も8けた程度の精度が確保できています。

上記の書籍には主要7項しかなかったので残りの項は

  長沢工「日食計算の基礎」

にある係数を利用しました。

また章動の計算にはドローネ角(月・平均近点角、太陽・平均近点角、月・平均緯度引数、月・太陽・平均離角、月・平均昇交点経度)が必要なのですがこれを計算するための係数も同書によります。

なお暫定版ではUT(世界時)TT(地球時)をごっちゃにしてたりしましたのでこういう点も修正してあります。



(2013-12-17 18:49:54)
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関連記事

  「グリニッジ平均恒星時を求める編集
  「グリニッジ視恒星時を求める(暫定版)編集
  「グリニッジ視恒星時を求める(改訂版)編集

  「日月歳差の影響を計算する編集
  「赤道座標に一般歳差を反映する編集
  「一般歳差の具体的な計算方法編集
  「章動計算(1)編集

  「太陽と月の位置の計算(海洋情報部方式)編集

2013年12月16日 (月)

12月15日深夜6.7等星の掩蔽(2)

撮影した動画から“潜入の瞬間”と思われるところの前後の画像を抜き出し同じ方法で画像処理したものです。

No.969までのフレームに星像がありNo.970以後のフレームにないのは間違いなさそうです。

とするとNo.969のフレームを撮影しているあいだに潜入したようにも思えますがそう考えるのは早計のような気がします。

No.969には星像がしっかり写っています。とするとNo.970のフレームの撮影中に潜入したのかもしれません。もしNo.970の撮影が始まってすぐに潜入したのであればNo.970には星像は残らないでしょう。

常識的にはNo.969の撮影終了直前あるいはNo.970の撮影開始直後に消えたように考えていいと思いますが可能性としてはNo.969の撮影開始からNo.970の撮影終了までのいずれかで潜入したと考えるのが“科学的”かもしれません。

それから星像は y=910 のところにあります。また画像の高さは1080ピクセルです。

とすると潜入の時刻はおそらく

  T0 + 0.027 * 910 / 1080 + 1/29.97 * 970 ± 0.01 [秒]

くらいでしょう。最大限範囲を広く考えて

  T0 + 0.027 * 910 / 1080 + 1/29.97 * 970 ± 0.034 [秒]

ということになります。

あとは T0 がいつなのかを知るだけですがこれがなかなかタイヘンです (^^;;















撮影

  PENTAX Q + Nikon 180mm F2.8 (開放で使用) ISO800 1/30sec 29.97fps

画像処理(全画像共通)

  GIMP2.8.2

  GREYCstoration strength=60他 (ノイズ除去)
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15日深夜6.7等星の掩蔽(1)

どうやら12月15日深夜の6.7等星の掩蔽については潜入の瞬間をとらえることができたようです。そこで本格的に潜入の時刻を調べたいのですがまずその“前提”みたいなことを書きたいと思います。

これまでの“デジカメ研究”の“成果”を確認します。



画像上端(つまりセンサー下端)はA点から露光が始まります(具体的にはフォトダイオードに蓄積されている電荷がこの時点で放電されるということだと思います)

露光の開始は画像の下端に向かっていき最下端ではBから開始されます。

しばらく経つと今度はC点から走査(フォトダイオードにたまっている電荷の読取り)が始まります。そしてE点でセンサーの走査が終了します。

この頃には次のフレームの露光はもう始まっています(D点)

A-BあるいはC-Eの間隔がセンサーの走査に必要な時間になります。これは実測していないのですが以前調べた静止画の走査時間をもとに計算して見ると0.027秒程度です。

A-CあるいはB-Eはセンサーが露光している時間つまり露出時間になります。

そしてA-Dが各フレームの露出間隔ということになります。

それぞれの時間については図にスペック値(あるいは計算値)を書き込んであります。ほんとにこの時間になっているのかは実測してみないとわかりません。露出時間や撮影間隔が一定しているのかということも含めて実測してみる必要があるし実際にやってみたいのですがとてもめんどうな作業なのでここではスペック値を信じて話を進めることにします(こういうのはこれまでの記事にあるように工夫すればけっこうちゃんと調べられるものです)

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どこを時刻の原点T0とします)にとるかが問題なのですがここでは(フレームNo.0の)A点ということにします。

フレームNo.0の緑色の線のあたりに被写体(例えば星像)が写っていたとします。そうするとこれまでの話から星像は

  T0 + 0.027 * y / H [秒]

から

  T0 + 0.027 * y / H + 1/30 [秒]

の間に露出されて撮られたものだということになります。

同様にフレーム No.n に写っている星像は

  T0 + 0.027 * y / H + 1/29.97 * n [秒]

から

  T0 + 0.027 * y / H + 1/30 + 1/29.97 * n [秒]

の間に撮られたことがわかります。

これからの記事は以上を前提に書いていきます。

調べなければならないのは

  潜入が起きたフレーム

  星像の位置(y座標)

そして最大の課題

  T0の具体的な時刻

です。

補足

C-D間はほとんど0です。走査すると電荷がクリアされることを考えると(露出時間が1/30秒のとき)じつは A-C = A-D、つまり C-D = 0 でフレーム間に隙間はないような気がします。

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掩蔽観測中に見たもの

昨日の18時30分頃の6.0等星の掩蔽はさんざんでした。


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これまでの失敗を糧に機材とその設置方法、撮影手順を細かく見直し万全を期して臨みました。

GPS受信モジュールはまだブレッドボードのままですがアクリル板で覆ってあります。
(回路もコンパレータやバッファ(エミッタフォロワー)を使って動作を確実のものにしてあります)

数十分前から外部アンテナを取り付けポジションフィックスさせておき電源を入れたまま外部アンテナをはずして撮影場所まで移動します(このあいだ情報通信研究機構で原子時計と時刻の突き合わせをしようと思ったのですが何分待ってもポジションフィックスしませんでした)

ケーブル類のコネクター部分はテープで固定しておきます(前回は途中でケーブルからLEDが脱落し修復するのに手間取り掩蔽に間に合いませんでした)

カメラの右のマイクに1PPS出力の音が出るイヤフォンをゴムバンドで固定します。

1PPS信号で発光するLEDをカメラレンズにテープで貼付け固定します。

早めに撮影場所に行ってピントを合わせレンズをテープで固定します。

恒星の位置を静止画で確認したあと動画の設定を確認しテスト撮影を行います。

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でもダメでした (^^;;

これまで露出不足に悩んでいたので何のためらいもなくISO1600、1/30秒のシャッター速度で動画を撮ったのですが露出オーバーでした(ちなみにPENTAX Qでf=180mm、F2.8です)

輝面比0.96での接食気味の掩蔽です。厳しすぎました。

けっきょく収穫(?)はこのくらいでした。

掩蔽観測中に見たもの



深夜の6.7等星の掩蔽はもう少しお上手にできました (^^)

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章動を計算する(1)

まず「章動とは何か」からはじめなきゃいけないんでしょうがそういうのはWikipediaをはじめたくさんあるようなので省略します。そういうのを書く自信がないというのもありますが....

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視恒星時は恒星の見える位置(方位角・高度)を計算するときはちゃんとした値を使わなければならないわけですが、じつは掩蔽計算だったら平均恒星時でも十分間に合います。
まず掩蔽計算は月と恒星の相対的な位置を問題にしているので方位角や高度が違っていても月と恒星が同じように違っているのなら影響はないからです。それから掩蔽計算では観測地の赤道直交座標を求めるのに視恒星時を使っているのですが、月の地心距離に比べたら観測地の地心距離は比較的小さいので視恒星時を使っても平均恒星時を使ってもあんまり関係ないです。

なのでその前提となる章動の計算もあんまり力を入れる必要はないのですが、こういうのんきなことを言っていられるのは恒星の赤経・赤緯は国立天文台・暦象年表から月の視位置は海洋情報部の計算式を使っているからです。
星表位置から恒星の視位置を求めようとか小惑星や彗星の視位置をNASA JPL HorizonsMPC(小惑星センター)の軌道要素から求めようというような話になると(掩蔽計算が求める計算精度という点から)一般歳差(日月歳差+惑星歳差)くらいでは不十分で章動の計算は切実な問題になります。

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先日の記事

  「グリニッジ視恒星時を求める

ではかなりいい加減な章動の計算をしてしまったので今回は少しだけちゃんとやってみました。

  「章動.xls

章動の計算は章動そのものを計算する部分とそれを(座標系の回転などに)応用する部分がありますが今回は前者の方だけです。日にちと日本標準時を入力すればその時点の章動の値(Δψ、Δε)を計算できます。

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計算の方法は

  福島登志夫編「天体の位置と運動」

にあるIAU 1980の章動理論による計算式というのを使っています。また計算に必要な係数でこの書籍になかったものは

  長沢工「日食計算の基礎」

にあるものを使いました。

なお

  長沢工「天体の位置計算」

にはE.W.Woolardの理論による計算式があげられています。計算のやり方は同じなんですが係数が微妙に違います。じっさい計算してどの程度の違いがあるかは調べていません。

「天体の位置と運動」によれば最新の章動理論はIAU 2000A(とそれを簡略化したIAU 2000B)だそうですが、これは計算式はあるものの係数がわからないので試していません。ただこれは係数が月・太陽項が678個、惑星項が687個と多いので係数が見つかってもじっさいに計算はしないと思いますが....

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上記の記事では章動はいちばん影響の大きそうな一つの項だけで計算しました。結果として暦象年表の値と一桁だけあってました。というか一桁しかあっていませんでした。

主要7項で計算してみたら二桁くらいあうようになりました。さらに影響の大きそうな主要な23項で計算したらだいたい三桁あうようになりました。つまり暦象年表にある値と合うようになりました。
これ以上やっても正しいかどうか検証のしようがないのでアップしたExcelファイルはこの主要な23項によるものです。

ただ何ケースも試したわけではないですし係数の数はぼちぼち増やして行きたいと思います。残り83項あります。

なお、月・平均近点角太陽・平均近点角月・平均緯度引数月・太陽・平均離角月・平均昇交点経度の五つはドローネ角というそうです。

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実際に計算してみた結果です。

章動を表す二つの数値Δψ(黄道に平行な方向に働く黄経における章動)とΔε(黄道に垂直な方向に働く黄道傾斜における章動)はぴったりあっています。これだけは何の意味もないので試しに真黄道傾斜角を計算してみました。7桁弱の精度であっています。じつはこれは平均黄道傾斜角(これも「天体の位置と運動」にある係数を使っています)自体が違っているためで真黄道傾斜角と平均黄道傾斜角の関係という意味ではぜんぜん問題ありません。
係数の有効桁数から見ると平均黄道傾斜角はもう少し精度が出そうな感じなので何か前提が違っているのかもしれません。



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動画の音声は映像と同期しているのか?

以前ほよほよさんが

  「28日未明の星食(60Cnc) 動画追記

の記事を書かれたときサダルテミスさんから

  ふと思ったんですけど、NEXの動画撮影時の
  音声と動画の同期はどんなものなのかと。。。


というコメントがありました。

昔(?)のVHSとかβの時代だったら映像と音声が同期していないなんてことはなさそうですが、デジタルの時代になって映像と音声は別に処理されてファイル(コンテナ)に入っているわけですから映像と音声が同期しているという保証はどこにもないです。

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今日は6.0等星と6.7等星の掩蔽がありカメラの動画で撮影しました。どちらも1PPSの音声信号を録音しまた1PPS信号で点灯するLEDで視野を照らすということをやっていました。そこでこれを使って映像と動画が同期しているかどうか確認してみました。

6.7等星の方の動画から00時45分00秒の1PPS信号に相当するところを調べてみます。

まず音声です。


Aが1PPS信号の立ち上がり、Bが信号の終わりを意味しています。
音声から見ると1PPS信号は録画(録音)開始から10.90秒~11.00秒に出ていることがわかります。

次に映像です。
00時45分00秒の1PPSに相当するフレームを探してみました。323、324、325の三つのフレームの背景がほのかに赤く色づいていました。

0.1秒発光だったら「動画の撮影時刻を考える(2)」の理論から言ったら赤くなっているフレームはふつう五つあるはず、と言われそうですが、あのときは完全に白飛びするだけの強い光をセンサーにあてています。一方こちらは光があたったのがかろうじてわかる程度の弱い光をあてています。ですから上の三つのフレームには露出している間ほとんど光が当たっていたと考えればいいと思います(30fps、1/30秒の露出です)

323番めのフレームです。


露出開始が10.78秒です。「動画の撮影時刻を考える(2)」に書いたようにこのフレーム(の上端)はこの0.027秒くらい前から撮影が始まっているはずですが一つ前のフレームには光がほとんどあたっていないように見えることと背景が明るくなっているのは三つのフレームだけでそれらの背景の明るさがほぼ均等でしたので光が当たり始めたのは10.78秒よりちょっと前くらいからと考えればよさそうです(ざっと調べたところ4フレーム露光しているところもあり詰めて行けばもっと正確な時刻を知ることはできると思います)

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長々と書いてしまいましたがどうやら

  音声は録画より0.1秒強遅れていた

と考えた方がよさそうです。

動画に録音されているタイムコードの音声データから映像にある掩蔽の時刻を割り出すのは危険みたいです。

動画で掩蔽を観測する場合は何らかの形でタイムコードを映像にも入れておく必要があると思われます。映像と音声が完全に同期しているとしても、もし音声から潜入・出現の時刻を求めるのであれば映像と音声が同期していることを証明できるだけの証跡を残す必要がありそうです。

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