カテゴリー「簡易分光器とスペクトル」の47件の記事

2018年8月27日 (月)

水を注いだコップの中のコインは真上に浮き上がって見えるのか?

水を注いだコップの中のコインの見かけの位置について書いた記事をググってみたらなかなかおもしろいことになっています。

比較的多そうなのがこれです。

  例
  「【光の屈折】コインが浮かび上がって見える作図問題の解き方
  「中学理科のまとめ - 光

01

Aから出た光は水面で屈折してBの方へ向かう。Bから見ると水面から出た光が来た方向つまり点線の方向に見えるのでA'のところに見える。

と書かれたものがけっこうあります。

点線の方向に見えるのは確かでしょうが、このことだけからAの真上であるA'の位置に見えるということは言えないように思います。

感覚的にどう見えるかということであれば、これが実感に近いかもしれません。
でも感覚的に....という話を始めてしまうと、もうそれは理科ではないような....

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単に点線の方向に見えるということであれば例えば向こう側に浮き上がって見えるということでも問題ないはずです。
ただし、このように見えると書かれたものはまだ見たことありません。
(「検定教科書における「思い違い(誤解、誤謬)」 -コップに沈めたコインの見え方-」によればこの“説”を採用した教科書もあったそうです)

02
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あるいはこのように手前に浮き上がって見えるということでもいいはずです。

  例
  「【中学中間・期末試験問題集(過去問)・理科1年】」 (理由はなし)
  「検定教科書における「思い違い(誤解、誤謬)」 -コップに沈めたコインの見え方-
    (理由は書いてあるのですが、これでみんな納得するのかなあ、という気はします)

後者はタイトルからもわかるように教科書がでたらめだとお怒りです。2003年に書かれたものですが、その後どうなったんでしょう。気になります。

03
どれが正しいかまじめに考えてみました。

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2018年8月23日 (木)

水深2mのプールの見かけの水深は? 屈折と光線追跡

まずタイトルの“答え”を書いておくと

  (真上から見た)見かけの水深 = 水深 * 空気の屈折率 / 水の屈折率

です。具体的には

  (真上から見た)見かけの水深 = 水深 * 0.75    (水の屈折率≒1.33、空気の屈折率≒1.00)

で、水深2mだったら1.5mです。頭くらいは出るだろうと思って飛び込んだら頭まですっぽり水の中ということになります。

真上から見るんじゃない場合は次の記事にあります。
  水を注いだコップの中のコインは真上に浮き上がって見えるのか?

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どうでもいいことにやけに一生懸命になっているような記事ですが、理由があります。

簡易分光器はスリットの像を回折格子で反射させてカメラで撮影するというような構造になります。とするとカメラのフォーカスは「スリット・カメラ間距離」つまり「スリット・回折格子間距離」に「回折格子・カメラ(のレンズの主点)間距離」を加えたものに合わせればいいように思えますが実際に撮影してみるとそうはなりません。もっと遠くにフォーカスを合わせる必要があります。これはカメラにどういう像ができるかをExcelでシミュレートしてもそのような結果が得られました。(撮影のためのDVD簡易分光器の製作 - 設計編

どうしてそうなるのかもっと理詰めで考えようと思ったのですがそのままになってしまっていました。最近 竹内淳「高校数学でわかる光とレンズ」 講談社, 2016 を読んでいたら「光軸近似と光線追跡」という章があって、簡易分光器のもう少し理屈のしっかりした設計に応用できるんじゃないかと思いました。

そこで今回は小手試しに簡易分光器の上の問題に一番関係がありそうで、しかもとっつきやすい水面での屈折について検討してみました。
(簡易分光器の方はスリットから来た光は回折格子のところで屈折したのと同じことになるからスリット・回折格子間の見かけの距離が大きくなるんだ、という“読み”です)

申し訳ないですが、光線追跡(光線行列とか光軸近似など....)についての説明については省略させていただきます。

光線追跡についてはググるのであれば、「光線行列」、「ABCD行列」などを検索ワードにすればいいかと思います。大学の先生が書かれたものがたくさん見つかります。

例えば

  (京都大学)光物性研究室へようこそ
    授業・セミナーのページ
      電磁気学C
        電磁気学4 2010講義ノート
          幾何光学 補足  <== これ!


光線行列はいくつか流儀があるようで、これは光線ベクトルの2番めの要素がnθになっています。下に書いた水・空気界面での屈折の話の光線ベクトルは2番めの要素がただのθになっているやり方です。
何も考えずに見比べたりするとヘンなことになりますので念のため。

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2018年7月20日 (金)

CD-R簡易分光器の限界は? - 「イラストレイテッド光の実験」

これまでの簡易分光器の記事はすべて(CD-Rではなく)DVD-Rを利用したものです。言うまでもなくCD-Rに比較してDVD-Rを使った方が色解像度が高くできるからと思ったからです。

簡易分光器を作ろうと考え始めた頃、当然いろいろググって製作記事や実際に撮影されたスペクトル写真を拝見したのですが、「やっぱり簡易分光器ってそんなに色解像度がとれないものなんだなあ」と思わせるようのものが多かったです。だから少しでも色解像度が高いものがほしかったらDVD-Rしかないと思いこんでしたったという事情があります。

前回の一連の記事ではDVD-Rで(“最大瞬間風速”的な意味では)0.05nmくらいの半値幅が実現できるところまで行きました。とするとCD-Rを使っても0.6nm離れたナトリウムのD1、D2線をきれいに分離するくらいのことは容易に実現できそうです。

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先日図書館でたまたま

  田所利康「イラストレイテッド光の実験」  朝倉書店, 2016

という本を見つけました。文字通り反射、屈折、散乱、干渉、偏光など光に関わるいろんな現象の画像とその撮影方法について書かれたものです。簡易分光器とそれを使ったスペクトル写真もあります。蛍光灯、太陽光(フラウンホーファー線)、プラズマボールなどがサンプルとして使われているのですが、フラウンホーファー線の画像を見るとD1線、D2線がきっちり分離し、しかもD1線よりD2線がちょっと太めという特徴まではっきりわかる画像になっています。

作り方も詳しいのですが使い方・撮影法のポイントも簡潔・明瞭に書いてあって私のブログよりよっぽど役に立ちそうです (^^;;

よくよく考えると私のフラウンホーファー線の写真は特定波長領域だけ取り出して色解像度を上げたものが多く、可視光線全域の写真となると「イラストレイテッド光の実験」 にはまったくおよびません。要するにDVD-RでCD-Rに負けているわけでまだまだ修行が必要です。

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2016年7月28日 (木)

簡易分光器の回折格子 - CDとDVDの違い

簡易分光器の回折格子としては(特に分解能の高さが必要な場合)CDよりDVDを選んだ方がいいに決まっているのですが、それはなぜかということを考えてみました。

それはDVDの方が格子密度が高いから、ということになるのですが、じゃあなぜ格子密度が高い方がいいのかという疑問が湧いてきます。

せっかくExcelでシミュレートできるようにしたのでそれ(簡易分光器の特性をExcelでシミュレーションする)を使ってDVDとCDでどう違うか調べてみました。

それから半値幅は数値だけではイメージがわかないと思うのでどんな感じかその目安を書いておきます。

半値幅 1nm 蛍光灯(低圧水銀灯)、高圧水銀灯で黄色あたりにある近接した2本の輝線(577.0nm、579.1nm)がはっきり分離して見えます(蛍光灯のスペクトルに11本の水銀の輝線を見る

半値幅 0.5nm フラウンホーファー線のb1(518.4nm)とb2(517.3nm)がはっきり分かれて見えます。

半値幅 0.3nm ナトリウムのD線(589.0nm、589.6nm)やフラウンホーファー線のb2(517.3nm)とb4(516.7nm)がはっきり2本に見えます(ナトリウム炎色反応のスペクトル(二つのD線)」 

半値幅 0.1nm フラウンホーファー線のb2(517.3nm)とb4(516.7nm)の間に暗線があるのがわかります。

半値幅 0.05nm フラウンホーファー線のb2(517.3nm)とb4(516.7nm)の間に暗線が2本あるのがわかります(簡易分光器の限界に挑む - フラウンホーファー線(b)」 の最初の画像)

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どういうカメラ(レンズ)を使うかで結果が違ってくるのですが、ここではf=50mm、F4つまりレンズ径12.5mmとしてやっています。分光器の場合はカメラレンズ径は回折光をすべてとらえられるだけの大きさが必要なのですが、入射光が平行でない簡易分光器の場合はそれをやってしまうと分解能が極端に悪化してしまうのでF値を大きめにしています。
まずDVDのケースです。

この例は天文月報 - 2006年10月 - 天球儀 - コンパクトディスクを使った簡易分光器の製作にある製作例とだいたい寸法を合わせてあります(CDがDVDに変わっているので出射角だけは違います)これは国立科学博物館 - 理工学研究部 - 若林文高 - DVD分光器の回折条件にあるDVDを使った簡易分光器の寸法とも似通っています。

A03dvd

半値幅は0.5nm(色分解能>1000)くらいと思われます。

緑のプロットはスリット上端、赤のプロットはスリット下端のものです。スリットの間隔はゼロではないので画像中央に収束する光の波長は違ってきます。また簡易分光器の場合は入射光が平行でないため回折格子の中央で反射する光の場合と端の方で反射する光の場合でも異なってきます。

これを見るとスリットを少し狭くするともっと分解能がよくなりそうですが、そうなると入射光が平行でないことの影響が相対的に大きくなるのでスリットを半分にしたから分解能が2倍になるとはいかないようです。

国立科学博物館 - 理工学研究部 - 若林文高 - DVD分光器の回折条件にはスリット間隔を0.5mm~0.2mmにするように書いてありました。0.2mmというのは製作が難しくならないようにという意味もあるのでしょうが、おそらくそれより狭くしても分解能はあんまりよくならないからという理由もあるのでしょう。

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2016年7月26日 (火)

簡易分光器の特性をExcelでシミュレーションする

これまでの記事

 簡易分光器の原理(仕組み) (1)
  「
簡易分光器の原理(仕組み) (2)

をもとに簡易分光器の特性(特に色分解能)を考えてみます。

つまり簡易分光器の製作記事を見てどのくらいの分解能が得られるか予想したり、設計(スリットや回折格子の位置関係)段階で作り方に問題がないかチェックできるようにしようということです。

なおこの記事(というかExcelシート)にはかなりあやしいところがあります。こういうのを公開するのは恥をさらすことになりかねないのですが、このようなのはあんまり見かけないので“たたき台”としての意味はあるかと思いダウンロードできるようにしました。

  「簡易分光器特性解析用(暫定)-A02.xlsx

    アップしてから気がついたのですがS37のセルが
      =S$9/S$10*SIN(T8)/2
    となっているのは
      =S$9/S$10/SIN(T8)/2
    が正しいです。たいして影響はないので差し替えは後日行います。

例えば国立科学博物館 - 理工学研究部 - 若林文高 - DVD分光器の回折条件にある簡易分光器を考えます。これは私が最初に作ったもの(簡易分光器の作り方と反省点 - DVD-ROM使用)でもあります。スリット間隔など数値に幅を持たせてあるのでそういうのは適当に決めてシミュレーションしてみました。

A20b78d7ls120s0d3f50f4

条件は右端の方に書いてあります。
左のグラフはスリットの通る位置と回折格子上の反射点の位置から画像中心に収束する光の波長をプロットしたものです。

カメラはf=50mm、F4を想定しているのでレンズの口径は12.5mmということになり、回折格子の使われている部分もこの長さになります。つまり回折格子全体(40mm)を使っていません。一般に回折格子は大きいほど色分解能(の上限)も大きくなるので有利なのですが、簡易分光器では(特にスリット・回折格子間距離が小さいと)回折格子の中央から遠ざかると急激に波長が変化するようになりかえって不利になります。この例では12.5mm(±6mm)の範囲で波長は0.3nmほど変化しています。

スリット間隔は0.3mmなのですが、スリットのどこを通過するかで波長は0.6nmほど変化しています。回折格子上の反射点の位置の影響が0.3nmなのでスリット間隔を小さくした場合1/3(0.1mm)くらいまでどんどん色分解能があがっていくものの、それより小さくしてもほとんど色分解能はよくならないと思われます。

上の条件では画像中心波長のばらけぐらいから考えると半値幅は0.8nmくらいではないかと思います。これは国立科学博物館 - 理工学研究部 - 若林文高 - DVD分光器の回折条件の図2から予想される半値幅とだいたいあっているような気がします。

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2016年7月25日 (月)

簡易分光器の原理(仕組み) (2)

前回の記事 簡易分光器の原理(仕組み) (1)」  でスリットS から入射し回折格子上のR1で反射してカメラセンサの中央Qに向かう光は(P~R1 の延長上にある)R を通るということを書きました( 1/f = 1/PO+1/OQ を満たす位置にP Q があることが前提です)
_

どんな光でもこの経路を通る(通れる)わけですが、回折格子の反射光ですから実際には特定の波長の光だけがQに達することになります。この波長はだいたいは

  λ = ±m * d ( cos(S・R1・G2のなす角) - cos(R・R1・G1のなす角 )
  ±m * λ = d ( cos(S・R1・G2のなす角) - cos(R・R1・G1のなす角 ) )

となるわけですが、この式は入射光・出射光が平行であるという前提のものですから厳密には正しくないです。

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2016年7月23日 (土)

簡易分光器の原理(仕組み) (1)

プリズムを使った分光器だとその挙動を考えるとき屈折率を波長で微分したもの___つまり実測するか資料を漁らないとわからないようなもの___が必要になるのですが回折格子を使った分光器はいたってかんたんです。

Photo

どこにでも書いてあるようにこの場合

  λ = ±m * d * ( cosθ1 - cosθ1 )  d: 格子定数、 λ: 波長
  ±m * λ = d * ( cosθ1 - cosθ1 )  d: 格子定数、 λ: 波長

が成り立ち、すべてはここから導かれます。どう導かれるかは例えば

  国立天文台 - 誰でもできる高分散分光器の設計

にあります。

上の式は回折格子への入射光が平行光線であることを前提としています。ですから(コリメータを使わないので)決してそうならない簡易分光器になるととたんにややこしくなります。

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2016年7月22日 (金)

続・蛍光灯のスペクトルに10本の水銀輝線を見る

蛍光灯のスペクトルに10本の水銀輝線を見るで水銀の輝線なのか疑わしかったものの再検討です。

今回はネオンランプの光といっしょに撮影し波長の特定が正確にできるようにしてみました。

まず

579.1nmの右側にあるルミネッセンスのピークと思っていたところの波長は580.2nmでした。水銀の輝線は580.4nmにあり違いすぎるので、これはやっぱり水銀の輝線ではないようです。”

と書いた580.4nmのところです。

Imgp8795nesvg31jpgm4d66142114605406

これだけだとよくわからないのでグラフ化したもの。
Imgp8795nesvg31jpgm4d661421146054_2

前回は実測値 580.2nmと書いてしまったのですが、ネオンランプの輝線も含めて改めて波長を求めてみると580.4nmに近いです。グラフもピークが580.4nmの水銀輝線のあるべき位置とぴったりあっています。

やっぱり水銀の輝線だったのか、とも思うのですが....

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2016年7月21日 (木)

簡易分光器用 - 輝線・吸収線の波長表(フラウンホーファー線を含む)

分光器を作ってフラウンホーファー線とか蛍光灯の吸収線・輝線、また炎色反応を見ているとその波長が知りたくなります。これがけっこう手間です。

波長は理科年表その他で知ることができますが、こういうリストは網羅的で簡易分光器ではぜったい見えないような輝線の波長も含まれています。

例えば理科年表の「紫外部、可視部、近赤外部の主なスペクトル線の波長」にはネオンについて400nm~700nmの範囲で32の波長があります。化学便覧では「振動スペクトル」のところにはネオン線の波長(と真空中の波数)があるのですが488nm~700nmの範囲で112の波長が記されています。ただ実際に簡易分光器で観察できるのは20本もないと思います。

そこで簡易分光器で見えると思われる範囲の実戦的なリストを作っています。まだこれから内容を充実させていきたいと思っていますが、今作っている範囲でもそれなりに役にたちそうなので記事にすることにしました。

-------

2016年7月14日 補足

フラウンホーファー線に関してはフラウンホーファー線の詳細リストとD3線が存在しないことに書きましたが下記に詳細なリスト(全リスト?)があります。現在強い吸収線を少しずつ下の一覧表に追加しているところです。

  The Interactive Database of Spectral Standard Star Atlases
      - SpectroWeb frontpages - Interactive Spectral Atlases
  
----------

2016年7月11日 補足、7月14、15、21日 改訂

測定条件が異なるため波長は資料によって違いがあります。


次のExcelファイルをダウンロードしていただければ“波長表”のシートに以下と同じものがあります。

  IMGP8762-三波長・SVG2.8-JPG-M4d14-1541~1560.xlsx

  IMGP8762-三波長・SVG2.9-JPG-M4d14-1541~1560.xlsx

  IMGP8762-三波長・SVG3.0-JPG-M4d14-1541~1560.xlsx


  「IMGP8795-Ne+三波長・SVG3.1-JPG-M4d66-1421~1460.xlsx 」 



輝線・吸収線の詳細については

  簡易分光器 - 作り方・使い方のまとめとリンク集

から必要な記事を探して読んでいただければと思います。

この記事のデータを利用して作ったスペクトル画像の例
Imgp4086dsvg27dngm4d65650750585590g
簡易分光器で撮影した画像をいったん数値化(+一次元化)し、再度画像にしたものです。
585nm~590nmの範囲で右側の濃い二つの吸収線がD線です。

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2016年7月20日 (水)

蛍光灯のスペクトルに10本の水銀輝線を見る

簡易分光器の色分解能の理論的限界を検討しているのですが、どういうわけか2,000くらいになってしまいます。実際には10,000~15,000(半値幅 0.04nm @590nm)くらいが実現できているわけで不思議なことです。計算かその前の式の立て方が間違っているのだと思いますが....

さて今回は蛍光灯の分光写真です。これはもう何度もやったのですが今回は蛍光灯のスペクトルの中にできるだけたくさんの水銀の輝線を見つけてみようというのがテーマです。タイトルには10本 11本と書きましたがうち2本はちょっとあやしいです。

オリジナルの画像はこれです。25%ほどに縮小してあります。
Imgp8762e1000

代表的な輝線435.8nm546.1nmそして577.0nm579.1nmのペアははっきりわかります。
左の方(波長の短い方)から順に見て行きます。

なおこの画像の撮影条件は(詳細撮影条件付き)三波長型蛍光灯の分光スペクトルとほぼ同じですがカメラの焦点距離は28mmとしてあります。できるだけ広い範囲の波長を撮影したかったからです。

それからこの記事で蛍光灯というのは一般家庭にあるような三波長型蛍光灯のことです。一般型蛍光灯(蛍光灯でもこれだけ違うスペクトル - 自作DVD分光器)だともう少し簡単に水銀の輝線を見ることができると思います(分光器の色分解能が悪いと状況はかえって悪化しますが)

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